鈴木勝吾、飯島寛騎とのW主演に不安なし「お互い高め合えられる関係になれたらうれしい」

鈴木勝吾がインタビューに応じた

2017年には福士蒼汰主演で映画化もされ、70万部を超えるベストセラーとなった北川恵海の小説「ちょっと今から仕事やめてくる」が初の舞台化。東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて、6月13日(木)から上演される。

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ブラック企業で働く若手社員・青山は、ノルマの厳しさや部長から叱責される毎日で、疲労のあまり危うく電車にはねられそうに。そんな青山を救ったのは、幼なじみの「ヤマモト」と名乗る、見知らぬ男性だった。

いつでも爽やかな笑顔を見せるヤマモトと出会ってから、青山は本来の明るさを取り戻し、大きな成果を上げる。

だがある日、ヤマモトが3年前に激務で鬱になり、自殺した男ではないかと気付き…。

今回は、青山役の飯島寛騎と共に、ヤマモト役でW主演を務める鈴木勝吾にインタビューを実施。

「侍戦隊シンケンジャー」(2009-2010年、テレビ朝日系)でデビューし、さまざまな作品で比類なき個性と圧倒的な存在感を見せる鈴木。

最近では舞台出演を重ね、演技力を高めている鈴木に、本作の魅力や30代に突入した心境、生き方で大事にしていることを聞いた。

――本作では、社会問題となっている「ブラック企業」「長時間労働」「パワハラ」といった環境で、必死に生きている若者たちの姿をユーモアや切なさを交えて描いていますが、話を聞いたときどう思われましたか?

映画がすごくステキな作品だったので、舞台でできるという話を伺い、すぐお受けしました。

この作品は、今の社会問題を掲げていて、それでも渦中にいる人間は一歩踏み出して強く生きていかないといけないっていうメッセージが描かれています。

ブラック企業は駄目だという提示をしながら、被害者の方も暗にかわいそうという話ではなく、生きていくためには自分で踏み出していかないといけないという、いじめっ子もいじめられっ子もどちらもたしなめるような話になっているんです。

偏りがないのですごく面白いし、見たら元気になれる作品だと思います。

――ファンタジー要素も強い作品ですが、舞台でやることの意義はどんなところにあると思いますか?

今回描く問題は誰にでも起きるかもしれないことだと思いますが、それを“社会問題”って言ってしまった時点で、僕は他人事にして身近な問題として捉えていない気がしていて。

なので、世界の片隅で起こる小さな事件を、世界の片隅の劇場で生の距離で見せられることは、距離を置いてしまいそうな物事に関して、小説や漫画、映像よりも身近に感じていただけるのかなと感じています。

舞台で届けることは、このテーマにとってすごく大きな意味を持つかと。

――今回演じるヤマモトは素性の分からないところもありますが、その人柄で青山を救っていきます。鈴木さんが思うヤマモトの魅力とは?

人生一周して、一度答えを出した人だと思っています。つらいことを経験し、その上で「幸せってこうだよね」と振り切っている。

答えが出ているからこそ、青山を気遣えると思いますし、悩んでいる人に手を差し伸べられる正義感や人間性など、ファンタジーレベルにいい人ですね。

でも演じる側からすると、そこにリアリティーを出していかないといけないので、ヤマモトにも苦難を乗り越えた瞬間があったということを意図してもらえるよう、丁寧に役を作っていかないといけないと思っています。幽霊なのか、分からない存在ですしね(笑)。

――ヤマモトに共感する部分はありますか?

実は、僕も青山みたいな時期があったんです。今はヤマモトとまではいきませんが、一つ乗り越えて歩み始めている時期。そういう意味でいうと、今の自分は青山よりはヤマモトに近いかもしれません。

ヤマモトみたいに自分の見詰め直した結果、僕も周りの人の大切さに気付けたので、そこはすごく共感できますね。だからこそ、ヤマモトは青山に手を差し伸べることができたと思います。

今回、ヤマモトの設定年齢は27歳なんです。僕は今30歳ですが、27歳のときは恐らくヤマモトの思いはまだ分かってなかった。30歳の今、このタイミングでこの役を演じられるのはありがたいですし、それを伝えていきたいです。

■ “特撮あるある”ですぐ仲良くなれる

――W主演を務める飯島さんは「仮面ライダーエグゼイド」(2016-2017年、テレビ朝日系)でデビューされているので、初共演でも同じ特撮出身として会話が弾みそうですね。

飯島さんはお若いですが、自分の論をしっかり持っている方なので、コミュニケーションを取っていくのも、一緒に作劇していくのも楽しみですね。

1年間ヒーローをやり遂げると、“特撮あるある”ですぐ仲良くなれるので、初めましてですけど、不安は全くなくて。せっかくご一緒させていただくので、お互い高め合えられるようないい関係になれたらうれしいです。

――物語では、青山は見知らぬヤマモトに急に声をかけられますが、もし自分が知らない相手からフランクに話し掛けられたらどう対応しますか?

不思議なもので、英語だったら気にならなかったりしません? 僕はフランクだからとか丁寧だからとか、あまり気にならないですし、普通に話せると思います。

――初対面の方とも人見知りせずに話せるタイプですか?

そうですね。僕は人見知りを理由にすることは、コミュニケーション取らない言い訳だなと思っていて。だからフランクにきてくれる分には、ビックリはするけど、ありがたいです。

コミュニケーションは取りたくても、その場の空気や関係性によって取れないときもある。けど、そこで「人見知りなんで」って自分では言わないようにしていますし、コミュニケーションを取ろうという意思は常に持っています。

――ご自身は30代に突入されましたが、心境の変化はありましたか?

29歳のギリギリまで、すごくワクワクドキドキしていたんです。でもいざ30歳になると、いろんなものを背負わらないといけないと如実に思いました。

2月に記念イベントをやらせていただいたんですけど、10年越しに応援してくださっている方をはじめたくさんのファンの方が集まってくださり、僕はこの方々に生かされているんだなぁとあらためて感じて…。

取材とかで「ファンの人はどんな存在ですか?」って聞かれると、「家族みたいな存在です」って答えますが、ファンの方からは親と同じで僕が理解できる以上の愛を頂いていると思っています。

なので、その人たちの思いに応えていくためには、もっと大きな俳優にならないといけない。応援してくれる人たちが誇りに思えるような俳優になるため、自分ができることをどこまででも頑張りたいです。

■ この仕事を辞めようかなと悩んだ時期も…

――2009年にデビューされ、俳優生活10年目を迎えますが、これまでに一番転機になった出来事は?

ヒーローでこの世界に入れたのは、ものすごい大きなことですね。

あと24、25歳のときに、この仕事を辞めようかなと悩んだ時期があったんです。なぜお芝居をしているのか、なぜ生きているのか分からなくなって。でも、そのときに演劇に挑戦したら、生きる意味がもう1回見つけられたんです。

恐らく舞台だと、よりお客さまを身近に感じられたからなのかもしれません。

そこで演技に救われて、シャーロックホームズが面白い謎がないと生きていけないみたいに、僕は芝居がないと生きていけない、「舞台で芝居をすること」=「自分の人生」になりました。

――ちなみに乗り越えるきっかけを与えてくださった方とかはいらっしゃるんですか?

誰か特定の人というわけではなく、俳優仲間や親、ファンの方ですかね。今でもそのときから仲のいい先輩や後輩と話しをすると、「あの時はおまえつらそうだったね」って言われます(苦笑)。

でもそれを言ってくれるっていうことは、そのときにそばに居てくれたってことなんですよね。本当にありがたいですし、僕は周りにいてくれた人に感謝することで、もし自分に目標がなくても生きている意味を抱ける気がします。

――30代に突入して、挑戦したいことはありますか?

今は舞台が多いですけど、映画をはじめとした映像作品にもどんどん挑戦していきたいです。舞台は、その時間を切り取ってその日に消えてしまうけど、映像作品は良くも悪くも残っていく。

また、今の時代はどこからでも映像にアクセスでき、より多くの人に思いや存在を届けられるので、映像作品も増やせていけるよう頑張りたいですね。

――この舞台で一番伝えたいメッセージとは?

良くも悪くもみんな、自分で選んで決めたことをしていると思うんです。なので、いつでも自分で決断して、自分で新たに路変更して生き方を変えられる。

青山みたいに悩んでいるのなら、生きるのを諦める前に、自分の生き方をもう1回、自分で決め直しても遅くはないと伝わればいいですね。

――ちなみに、鈴木さんご自身が生き方で大事にしていることは?

決意と覚悟です。僕は何事も、決意と覚悟に集約されるなと思っていて。あと、ちゃんとその思いを言葉や行動で伝えることは大事にしていますね。

なので、取材をしていただくときも、なるべく正直に思っていることを話したいんです。僕は、夢や思いを自分が持てるだけの言葉を尽くして伝えることで、覚悟ができる。

言ったからにはやろうぜ!って自分でも追い込めますし、もしそれでできなかったとしてもしょうがないですし。さまざまな人に自分の思いを言葉でたくさん届けられるような人間になりたいです。(ザテレビジョン・取材・文=高山美穂)

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