劇場版「えいがのおそ松さん」に18歳の6つ子が登場!おそ松役・櫻井孝宏インタビュー前編

劇場版「えいがのおそ松さん」が3月15日(金)より、全国劇場で公開される

赤塚不二夫の名作ギャグ漫画「おそ松くん」を原作とし、2度にわたって制作・放送されたTVアニメ「おそ松さん」。その完全新作となる劇場版「えいがのおそ松さん」が3月15日(金)より、いよいよ全国劇場にて公開される。

【写真を見る】おそ松役・櫻井孝宏が「えいがのおそ松さん」について語る

20歳を過ぎてもクズでニートで童貞の松野家の6つ子、その長男・おそ松を演じる櫻井孝宏にインタビュー。初の長編となる今作、一体どんな内容になるのだろうか。

■ 予想外の「おそ松さん」ブームにビックリ

――2016年度の流行語大賞にノミネートされるなど、「おそ松さん」ブームを巻き起こしましたが、TVアニメ放送時にここまでの盛り上がりになると想像されていましたか?

櫻井:全く思っていなかったです。原作がある作品なので、ある程度の注目はされるとは思っていましたけど、あそこまでの盛り上がりは想像していなかったですね。意外ではありましたが、やっぱり出演している作品が注目される、ヒットするのは嬉しいことです。

――ここまでヒットした要因はどこにあると思われますか?

櫻井:赤塚不二夫先生が作ったキャラクターのデザインが素晴らしいのはもちろんのこと、藤田陽一監督と脚本の松原秀さんの力が大きいんじゃないかなと思います。僕らはその台本通りにやっただけで、脚本ありきなのでそこが一番大事だったと思います。

■ 劇場版としてフォーマル感のある脚本に

――そういう意味でも、今回の劇場版の内容がとても気になります。

櫻井:いろいろな可能性を打ち出して見せてきた作品なので、何をやってもいいし、蓋を開けてビックリみたいなことをやってもいいんですけど、個人的には、せっかく映画になるなら、ドラマ仕立てのものがいいなと思っていたんです。実際に脚本を読ませていただいたらそうなっていたので嬉しかったですね。

劇場で上映されることを意識したスケール感というか、ちょっとファンタジックで心動く、グッとくるようなシナリオ。僕的には「そうそう、こうだよ!」という感じでした。せっかく映画館で見るんですから、それくらいのよそ行き感、フォーマル感があった方がいいじゃないですか。

――ちなみに完全新作で劇場化が決定したと聞いたときのお気持ちは?

櫻井:劇場版になったこと自体は驚かなかったです。元々、スタッフさんからも長編をやりたいという話を聞いていましたし。それよりも、やっぱり内容に注目していましたね。

――TVアニメシリーズは基本オムニバス形式での放送でした。

櫻井:長くても2、3話使うくらいだったので、劇場版というこれだけの長い尺で、しかも6つ子にクローズアップしたお話になるとは…そこまでは全然読み切れていませんでした。

彼らの過去を辿るような、タイムスリップ要素のあるお話で、そういうファンタジックな方向に振るとも思っていなかったですね。箱庭感がありつつも、6つ子それぞれの人間性をはじめ、時の流れや移り変わりが見られたのは僕的にはグッときました。

■ 過去を描くことで6つ子の人間味が増した

――今作の劇場版で作品やキャラクターに新たな発見はありましたか?

櫻井:ありましたね。彼らの短いながらも人生の流れを垣間見ることができたので、「こういう出来事が起こっていたんだ」「彼らにもこういう人生があったんだ」と知ることができました。正直、これまでそんなこと全く考えていなかったんですよ。だって平気で死んじゃうじゃないですか(笑)。

――死んだとしても、次のお話では何事もなかったかのようにスタートしていました。

櫻井:そういう世界観で生きているキャラクターだから、時間の流れや過去なんて全然気にならなかったんです。せいぜい「いつから十四松だったんだろう?」とアルバムを見るくらい。あのエピソードが逆に意外なくらいでしたね。

だけど、劇場版では彼らが今生きている時間を起点として、物語が作られていたので、彼らの人間としての立体感が出たというか。六者六様のキャラクターだったものに人間としての奥行きが増したというか。そういうものが今回の劇場版でより見えてきたように感じました。

――長尺で描く劇場版だからこそ描けた部分だと思います。

櫻井:ちゃんと時間の流れを描くことで成長も変化も見られますからね。そうすると、そこに人間味が生まれる。きっと見た方もそう思ってくださると思います。

■ 見え隠れする18歳の6つ子たちの葛藤

――作中でおそ松たちは18歳の6つ子と出会います。当時の彼らにはどのような印象を持たれましたか?

櫻井:リアクション的には痛々しいですよね(苦笑)。「うわぁ~、やめてやめて!」という感じ。自分に対しては厳しい評価になっちゃうので、どうしてもそう見えるんじゃないかな。僕も10代の頃なんて灰色の青春でしたから。高校3年間の記憶を合わせても1カ月分ないですもん。言われるがまま、ルーティンの日々でしたね。

おそ松たちも過去の自分をダサい、痛々しいと見ているんですが、その大人になった彼らの姿も超ダサい(笑)。そこが滑稽で面白いですよね。第三者視点から「お前たちも変わってないよ」とツッコみつつ、それでも時の流れで変化や成長も見えるなと感じました。

――おそ松については何か変化を感じ取れましたか?

櫻井:それがないんですよ!(笑) 他の兄弟たちは見た目からして変わっているのに、おそ松だけは18歳の頃と変わっていなくて、本編ではそこがネタとして描かれているんですけど…。6つ子は、自分たちが周囲と違う事に気付きはじめて、キャラクターが変容していくんです。

きっと、葛藤や迷い、悩み、苦しみとかがあったと思うんですけど、そんな中で、おそ松はこの頃に一丁上がっているんですよね。まったく変わっていない、そんなところに長男らしさを感じたりもしました。

――変わらないのも彼の魅力ですか?

櫻井:魅力なんですかねぇ?(苦笑) その辺は僕には分からないので、皆さんにお任せしちゃおうと思います(笑)。

■ 自然と空気感が出来上がる「おそ松さん」の現場

――皆さん揃ってのアフレコはTVアニメシリーズぶりですか?

櫻井:アニメ以外の収録で会うことはありましたけど、アフレコで勢揃いは本当に久しぶりでした。でも、何の感慨もなかったですね(笑)。全く普段通りです。「久しぶり!」「頑張ろうぜ!」みたいなのは一切なかったですけど、逆にそれがいいんだと思います。変に力んだり、空回ったりしないですし。

「おそ松さん」のキャストは集まったら自然と空気感が出来上がる感じ。1クールの作品だと、慣れ親しんできた頃に収録が終わる…ということもあるんですが、「おそ松さん」のようにこれだけ長くやっていると、意識せずとも自然にふっと出来上がる気がします。

――キャストさん同士、相手を信頼しているからこその安心感もあるのでしょうか。

櫻井:それは大前提でありますね。頼りがいがありますし、自分自身もちょっと楽しめちゃうような空気感。それくらいの余裕を持って臨んでいます。

――掛け合いにおいて予想外の返しが来ることも?

櫻井:しょっちゅうありますよ。テストのときから本番さながらの意気込みで臨むんですけど、みんな本番でもうひとギア上げてくるんですよ。そうすると、みんな触発されてさらにグッと上がる。それぞれのスタンス、考え方の違いはありますけど、みんなプロとしてやってきている人たちなので、お芝居に対してのそれぞれの味を現場で見ることができるのは楽しいですね。

――一番近い場所で体感されているわけですからね!

櫻井:最前ですから(笑)。ディスカッションして完成されていく演技を見るのは勉強にもなるし、キャラクターと相まって人となりも見えて面白いです。冗談ですけど、セリフ量が異常に多いシーンとかがあると、「こんな脚本を書きやがって!(笑)」と、冗談を言ったりするんですよ(笑)。

それでみんなが笑って、スタッフさんともコミュニケーションを取ったりする楽しい現場です(笑)。

――櫻井さんはそういったやり取りを一歩引いたところで見ているのですか?

櫻井:そうかもしれない…結構楽をしちゃっています(笑)。

【劇場版「えいがのおそ松さん」で自身の学生時代を振り返る!おそ松役・櫻井孝宏インタビュー後編 へと続く。同記事は3月15日(金)朝11時アップ予定】(ザテレビジョン)

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