木村多江、“ネチネチしたくない”下町気質の素もあらわに「脱・薄幸役」

木村多江、『後妻業』インタビュー

 「脱・薄幸役!」 冗談めかして笑いつつ、木村多江はドラマ『後妻業』での自らのテーマ(?)を掲げる。彼女が演じるのは、実の父に遺産目当てで近づいてきた“後妻業”の女・小夜子と対峙する朋美。木村佳乃演じる最強の魔性の女を前に、これまでに見たことのない新たな木村多江の姿を見せてくれそうだ。

【写真】『後妻業』、木村多江インタビューフォト

 黒川博行の人気小説を原作にした本作。木村が演じる朋美は勝ち気で知的なキャリアウーマンで、内縁のパートナーと共に建築設計事務所を経営する。父の耕造(泉谷しげる)が倒れ、病院に駆け付けたことで、耕造の“妻”であると主張する小夜子と顔を合わせることになる…。

 この対立構造、そして彼女のキャスティングを聞くと、強大な“魔女”に翻弄され、父の資産をむしり取られていく薄幸の…とイメージしてしまいそうだが、さにあらず。「小夜子がだまし取ろうとしてくるのに対して、その正体を暴こうという意欲、負けん気が前面に出てくるタイプです」と明かす。

 「私自身、朋美ほど勝気ではないにせよ、決しておとなしいだけの人間ではないし、むしろ(これまで演じてきた薄幸の女性は)頑張ってそういう役を作り上げて演じてきたんです(苦笑)。だから、今回は私自身の素の明るさを出したり、近いところを感じて演じてます」。

 小夜子と朋美は、同い年ながらも水と油ほどタイプが異なり、罵り合い、さらにはビンタの応酬まで繰り広げるが、木村は2人の関係に、不思議な友情を感じるとも。

 「あくまでイメージですけど、男の子がケンカして仲良くなるってあるじゃないですか(笑)? あんな感じかなぁ? すごくムカついてるのにキライになれない…私、どういうこと!? みたいな(笑)」

 自身はもともと、さばさばしているタイプで、いわゆる女子同士の嫉妬やマウンティング意識による争いにも、参戦したことがなかったという。

 「ネチネチしたくないんですよね。下町気質もあって『白黒はっきりしちゃいなさい!』というのもありますが。ケンカしたくないのは、怒りじわを増やしたくないから(笑)。ほんとに時間の無駄ですからね。いかに笑いじわだけで年を重ねるかを考えて生きてきたので(笑)」。

 だからこそ、激しい怒りを爆発させる今回の役は「ものすごく難しかった」とも。

 「すごく緊張しましたね。普段は、ほとんどセリフ合わせもしないんですけど、今回は早く来て、マネージャーさんを相手にセリフの練習をしたり。ポンポンと勢いよく掛け合いで会話することが、映像の仕事ではほとんどなかったんです。自分にないリズムで会話するって難しいです」。

 
 ガツンと相手に強い言葉を発したり、バチンとビンタをかますことに快感は?

 「早くその域に達したいですけど、まだまだ、その場を一生懸命にこなすので精一杯です。たいがいの役はやってきたので『ここはこう見えてるだろうな』というのが自分でもだいたいは予測がつくんですが、今回は全く予想できない。とにかく『ブサイクな顔を見せたっていいや』というつもりで、懸命にやってるんですけど、モニターチェックをすると『え? ひっどい顔だなぁ…。これオンエアしていいのかな?』なんて思ったり(笑)」。

 生々しく、人間くさいやりとりの中で、新しい自分を発見することを楽しんでいる。

 「佳乃ちゃんの役はどんどん仕掛けてくる役で、私の方はリアクション勝負。『そう来たか!』ってライブ感を味わいつつ、化学反応が生まれていくのが楽しいです。20代の頃から、こういうコミカルな役がやりたくて、『やりたい』と言い続けてようやく念願がかなったので、新しい木村多江をみなさんにも発見していただけたらうれしいです」。(取材・文・写真:黒豆直樹)

 『後妻業』は、カンテレ・フジテレビ系にて毎週火曜21時放送。

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