稲垣吾郎、俳優として自らを分析 今後は「需要のある俳優になりたい」

『半世界』稲垣吾郎インタビュー

 2017年10月、「新しい地図」が“本格始動”と記してから、舞台や映画で精力的な俳優活動を続けてきた稲垣吾郎。阪本順治監督の最新作『半世界』では、無骨な炭焼き職人を演じている。本作との出会いを「大きなニュースだった」と振り返る稲垣が、個人として活動することによって見えてきたことを語った。

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 番組や誌面で映画評論コーナーを担い、年間100本以上の作品を観てきた稲垣にとって、“映画”というメディアはずっと自身の中心にあるものだった。そんな彼に、「いつか仕事をしてみたかった」という阪本監督からのオファーが届く。「俳優は監督やプロデューサーから使ってみたいと思われなければ何も始まらない」と考える稲垣にとって、アイドル活動のきらびやかなイメージとは真逆とも思える寡黙で泥臭い山の男という役柄を得たことは、非常に大きな機会だった。

 夢にまで見た阪本組の現場。三重県の山奥でじっくりと作品に向き合い、「普段の環境から離れた場所で、合宿みたいな感じ」で作り上げた時間は、「本来、舞台のように、ゆっくりじっくりとモノづくりをすることが好きな僕にとっても、『こんなにも居心地がいい場所があるんだ』という喜びを感じることができる現場でした」と振り返る。

 仕事への取り組み方が変化したのは、グループから個人へと活動がシフトし、時間的余裕ができたことが大きいという。また、SNSを始めたことで届いた“稲垣吾郎”個人に対するメッセージは、「ここまで皆さんがついてきてくれるとは想像できなかった」という稲垣に、「個人としてこんなにファンの方から必要とされているとは」という驚きをもたらした。

 以前の稲垣は、偉大なグループの一員という役割を何よりも大切に考えていたという。「グループにいるときも個人活動はしていましたが、それも個のためというよりグループのために何ができるかという発想だったんです。もちろんそれが悪いことではなく、そこに束縛されていたわけでもないのですが、自分のことは二の次という感覚はありました。グループとして輝くことが最も大切にすべきことなんだという思いは常に持っていたので」。

 そこから新しい道へ進み、現在は草なぎ剛、香取慎吾と3人での活動はあるものの、基本的には個人での仕事が中心となった。「誰に頼ることもできないし、不安に思うことももちろんあります。でも今の僕はとても充実していて、後悔はありません。偉そうなことは言えませんが、いろいろあった過去も含めて今の自分がある。今、とても幸せなんです」。

 「再スタートをさせてもらったことにより、より社会をしっかりと見られるようになってきています」という稲垣。特に今回の映画では、人生の半分に差し掛かり、身近な世界のしがらみの中で生きる男たちが、残りの半生をどう選択していくかというテーマにじっくりと向き合っている。稲垣は登場人物の状況が自身に重なる部分もあると言い、「大胆な再スタートを切った僕らが、今が一番楽しいと言えている。そう思える世の中っていいですよね」と笑顔を見せる。

 これからの“稲垣吾郎”について尋ねると、「需要のある俳優になりたい」とひと言。「自分でプロデュースできるタイプではないので、『こういうことができます』と自分から発信するより、『こういう役を稲垣にやってもらいたい』と皆さんに思ってもらえることが重要かな。主演へのこだわりも全くないです」。

 そして「30代も脇役やヒール役など、なんでもやってきました。僕は個性が強いタイプに見られがちですが、意外にどんな水槽でも泳げるタイプなんですよね(笑)」と分析し、「まだまだこれから――映画は作品数が少ないので、意欲的にやっていきたいです」と笑顔を見せる。まずは本作で“映画俳優・稲垣吾郎”の魅力を存分に堪能したい。(取材・文:磯部正和 写真:MONDO)

 映画『半世界』は、2月15日より全国公開。

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