旅人マリーシャの世界一周紀行:第209回「謎に包まれた東欧の小国・モルドバでワイン片手に”ウマイアヒー♪”」(週プレNEWS)

12/6(木) 15:00配信

旅人マリーシャの世界一周紀行:第209回「謎に包まれた東欧の小国・モルドバでワイン片手に

モルドバの首都キシナウの小さな凱旋門「勝利の門」

好きな街を離れる時はいつも後ろ髪をひかれるが、私はウクライナの西の街リヴィウにさよならを告げ、南へ向かった。

【写真】キシナウの街並み

寝台列車のコンパートメントには男性3人と私ひとりであったが、慣れたもの。2段目に上り、手際良くシーツや枕カバーをセットしたら、お腹に貴重品を抱え込むようにして眠りについた。

起きるとそこは「黒海の真珠」と呼ばれる港町オデッサ。横浜と姉妹都市であるその町は、国際貿易都市というだけあってどことなく明るく開放的な雰囲気。

せめてプーシキン文学記念館や、黒海を一目見たかったが時間がない。隣国モルドバ共和国へ行くためのミニバスに乗るために私は先を急いだ。

直観的に立ち寄ることを決めたモルドバは、九州くらいの面積の小さな国で、知名度が低いながらヨーロッパ。『恋のマイアヒ』を歌ったO-Zone(オゾン)の出身地ということで一時期話題にのぼったこともあったが、その認識がある人は少ないであろう。

1991年にソビエト連邦から独立したが、領内に未承認国家の「沿(えん)ドニエストル共和国」や「ガガウズ自治区」があったりとなかなか複雑。ウクライナからの国境越えでは、途中にある沿ドニエストルに入ってしまうといろいろとややこしいことになるので、旅人は注意しなければならない。

私はその道を避けるミニバスに乗り込み国境越え。途中の休憩地で写真を撮っているとおばちゃんに怒られた。

あまりにも普通の景色すぎて、心の中では「ケチケチすんなよ」と悪態ついていたのだが、「ごめんなさい。桃があまりに美しいので」と素直に謝り、おばちゃんの売っていた桃を誉めると、気を良くしたのか「これを持っていけ」と甘い香り漂う桃をいくつかもらうことができた。ラッキー。

そして、モルドバの首都キシナウに到着。バスターミナル付近のスーパーにある両替所へ向かうと、そこで出会ったのは試食を配っていたモルドバ女子アナスタシア。

ツルっとした肌でキレイな女の子だった。まだ学生で近くの街からアルバイトに通っているという。日本人が来たことをすごく喜んで、疲労困憊の私を笑顔で癒してくれた。彼女のおかげで、この国の第一印象は好印象となった。

私はモルドバ通貨のレイを手に入れると、トラムに乗って宿へ向かった。一軒家タイプの宿は門も玄関も開けっ放しだったので、そんなに治安は悪くもないのであろう。

宿主は不在で、案内してくれたのは宿泊客のアメリカ男性ニック。私は桃を冷蔵庫に入れて街へ出かけた。

キシナウの街は碁盤の目状に作られ整然としている。旧ソの街並みといった感じがプンプンで、派手な感じはなく素朴。

やたらと軍人さんを見かけると思ったら、役所前でデモがあり、人々は「VOT FURAT」と書いた紙を掲げていた。英訳すると「HIDE VOTE」という意味であったが、つまり不正選挙を訴えている模様。どこの国も政治は穏やかではない。

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