対照的なのにともに感動できる企業ドラマ~「下町ロケット」と「ハラスメントゲーム」の卓越性~

■スケールは対照的

TBS日曜劇場「下町ロケット」は、中小企業が舞台だが、スケールはでかい。
15年秋に放送した第一シリーズでは、平均視聴率18.5%、最終回が最高の22.3%。今期は続編だが、14%を超える視聴率で安定した走りをキープしている。
熱く信念を持って、転んでも何度も立ち上がる日本の中小企業のガッツと涙を描いている。池井戸ストーリーのおはこだ。
主演は阿部寛。共演者のキャスティングも相変わらず豪華。さらに音楽も映像も、規模がとにかくデカイ。
また派閥と人間関係がモノを言う、日本の大手企業の怖さも存分に描いている。中小企業の弱さや、もがき苦しみながら夢を追うサラリーマンの現実も、大多数の視聴者の心をつかんでいる。不動の人気は、当然のごとく健在だ。

同じ企業ものでも、ドラマBiz「ハラスメントゲーム」も要注目だ。
テレビ東京の開局55周年特別企画として制作されており、視聴率は5%前後と「下町ロケット」の半分にも満たないが、これが結構おもしろい。
主演は唐沢寿明。
大手スーパー「マルオー」で、ある事情から地方に左遷されたが、数年後に社長室直属の「コンプライアンス室」という社内の問題を解決していく部署に配属になり、さまざまなハラスメント事件を解決していく。
社長との関係・取締役の派閥・下で働く社員たちの厳しい現実と日常をリアルに描いている。

■対照的だが魅力は共通

二つのドラマで描かれる、“日本の会社”をタイプ分けしてみよう。
難関進学校・一流大学の競争社会を勝ち抜いてきたエリートが集まる大手企業。“縦割り”がはびこり、権力闘争も日常茶飯事の、厳しい巨大組織だ。
かたや中小企業は、華やかさには欠けるが有能な職人が技術を磨き、営業は泥臭く足で稼ぐ。社長と社員の距離が近く、どこか家族的なのも特徴だ。

阿部寛が演じる“佃製作所”は、後者の中小企業だ。社長が率先垂範(そっせんすいはん)して動き、情熱・温かさ・人間臭さ・大きな器で、社員を引っ張っていく。どんなことにも真正面からぶつかり、社員の旅立ちに涙を流す。その自然な生き方に人は惹(ひ)きつけられる。阿部寛の適役と言えるだろう。

昨秋の日曜劇場で話題を呼んだ「陸王」も、全く同じタイプの会社だった。
「社員が一丸となって、力を合わせて諦めず、努力すれば必ず実る!」 
これは、目標に向かって努力を惜しまない、真面目で勤勉な日本人の国民性を象徴しており、ドラマにすればヒット間違いなしの題材であろう。
そのプロジェクトに予算とクオリティをつぎ込んだ、「下町ロケット」がヒットするのは誰もが納得できる。

一方、庶民的で地味、サラリーマンにとって働くことの夢を描きにくい街のスーパーマーケットを舞台にしたのが「ハラスメントゲーム」だ。しかも毎日の買い物をする消費者が相手のスーパーも、拡大していくとともにモンスター化し、全国チェーン展開の中で内部に歪(ひずみ)が生ずる。
物語のメインのテーマは、タイトルの通り“ハラスメント”。この温度差が、オリジナリティがあって、思わず引き込まれる。
しかもどんな役も見事に演じる唐沢寿明が主演だ。
キレのある目ヂカラ・ノリの良い軽いコメディタッチなシーン・リズムの良いセリフさばき。そしてドラマの最後に、ハラスメントが解決していくシーンでの決まり文句「おまえこそ、クズ中のクズだ!」が、なんともクセになる。
会社の問題を解決しながら、水面下で動く会社のウラ人事が、ストーリー展開の大きなカギとなる予感も、あまりに現実的で注目のポイントとなっている。

「下町ロケット」も「ハラスメントゲーム」も、日本の社会そのものを如実に表わしており、考えさせられるところもある。しかも見ることで、翌日からの日常を頑張っていける活力をもらえる物語だ。
両ドラマが最終回を迎える頃、2018年の年の瀬がやってくる。2019年をどう生きていくか、涙を流して、今年最後のページをめくる準備が始まる。

コラムニスト: はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

【関連記事】

  • 【無料配信】「ハラスメントゲーム」最新話を配信中>>
  • 獣神サンダー・ライガーの素顔公開! 目元&口元 ほぼ全開で食事(~11月12日 14:59)>>
  • EXILE・HIRO、酔って絡んできた素人にまさかの神対応>>
  • 現役女子高生レスラーの逆水平に芸人悶絶>>
  • 美ボディモデル、7年間で体形激変......自慢のヒップは「バリーン! ってなってる」!?>>
ハラスメントゲーム