“座長”矢野聖人を武田梨奈&岡本玲がいじる!? クジラとの撮影秘話も

映画「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」に出演している岡本玲、矢野聖人、武田梨奈(写真左から)にインタビュー!

矢野聖人が初主演を務めた映画「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」が全国公開中。

【写真を見る】武田梨奈と岡本玲が矢野聖人の“座長”っぷりを明かしたすと、矢野の表情は変わった

本作は、和歌山に実在するクジラだけを飼育している「太地町立くじらの博物館」を舞台に、クジラを愛する青年・鯨井太一をリーダーとし博物館を盛り上げていく様子を描いた、クジラと人間の奮闘記。博物館を盛り上げるため、太一らはスタッフの手作りによる「くじらまつり」を行うことを思いつくが、開催を目前に控えたある日、「くじらまつり」中止の危機が訪れる――。

矢野が悩みくじけながらもクジラをひたむきに愛する太一の心の葛藤を演じている他、東京の水族館からピンチヒッターとして呼ばれた白石唯を武田梨奈が、学芸員の間柴望美を岡本玲が演じている。

今回、矢野、武田、岡本による3ショットインタビューが実現。初共演を果たした同級生3人が、撮影の裏話や作品、クジラへの思いなどを語ってくれた。

■ 矢野聖人「かなえたい夢の一つだった」

――まずは矢野さん、初主演と聞いたときの心境を聞かせてください。

矢野:特別だから「わ~い!」ってことはなかったですけど、20代のうちにかなえておきたい夢の一つだったんです。舞台で主演して、ドラマで主演して、そして映画でも主演を20代のうちにするというのが。そのことへの喜びはありましたね。なので、「わ~い」ではなく、「よし、やるぞ!」という気持ちでした。

――太一というキャラクターを演じていかがでした?

矢野:太一は難しかったですね。僕が今までに演じたことのないキャラクターですし、普通とちょっと個性的なところの中間を突きたかったので、そこは見る人によっては難しく見えてしまう部分ももしかしたらあるかもしれません。そこのバランスを自分の中で取ったり、監督に相談したりして、キャラクターを固定するというのが難しかったです。

――武田さんは男勝りなところもある女性の役でした。

武田:そうですね。男勝り+プライドが高くて強がっているだけの女の子なんですよね。本当はすごくネガティブだったり、迷っていることがたくさんある中、みんなの前では気を強くしていなくてはいけないという子が、和歌山に来て、太一や望美に会って変わっていくという心境を表現できたらと思って演じていました。

一番意識していたのは、東京から和歌山に来て歩いているシーンと、東京に戻る時に歩いているシーン。見ている方にどう感じていただけるかは分からないですけど、その時の歩き方で唯の気持ちを表現できたらいいなって思い、撮影に臨みました。

――今回もきれいな蹴りを放っていましたね。あれは台本からあったんですか?

武田:台本からだっけ?

岡本:いや…。

矢野:なかったよ。

武田:いくつか台本にないことを、監督から現場で「やって」と言われたことはあるので。蹴りもそうでしたね。

――矢野さんが蹴りを受ける設定でした。目の前で見ていかがでしたか?

矢野:女性がアクションをやるときにちょっと出る不慣れな感じなどはなくて、「あぁ、これは本当に人を蹴りにいっているな」って(笑)。形もすごくきれいで、(蹴られた後の)吹っ飛びがいもありましたね。

武田:ははは(笑)。

――岡本さんは方言を使っていましたね。

岡本:そうですね。実は台本には標準語で書かれていたんです。役の設定として「(岡本の出身地でもある)和歌山市から来た女の子でいい」ということだったので、せりふを自分で和歌山弁に直して演じていました。でも、完全に和歌山弁にしてしまうと(地元の人以外には)何を言っているか分からないから、「ちょっと分かりやすくできる?」ってリクエストされたりもしました。

――望美という役を演じてみていかがでしたか?

演じやすかったですね。博物館の資料を作ったり、標本を作ったりしている学芸員という“裏方”なんですけど、だからこそトレーナーとか飼育員に対して憧れを抱いているし、ちょっと劣等感も持っているし、「自分なんて」って言っちゃうタイプの女の子なんですね。でも、誰かが笑っているのは好きで、近くで見ていたいという女の子。

私もどちらかというと自分が前に出るよりも、お芝居だったら脇役などで出るのが好きだし、他人を支えるのが自分の好きでもあるので、(今回の作品では)役作りは全然なく(役に)入れたのが大きかったですね。

■ 武田梨奈「いい距離感で仲良くできた」

――3人は初共演だそうですね。

矢野:そうですね。岡本さんは小さいころからお仕事をされている印象があって、共演するということで緊張もありましたが、僕が初主演ということで緊張していた部分もあったので、(岡本さんがいることで)安心感がありました。

武田さんは僕の中ではアクションのイメージが強かったので、アクションのない今回のような作品ではどんな雰囲気なのかなって気にはなっていました。3人が同い年ということで仲良くなれたというか、あまり気を使わずに撮影に入ることができたので良かったです。

武田:同い年の方と共演する機会がこれまでになかなかなかったんですね。役者の中でも「1991年生まれって少ないよね」という話をするんです。でも、同い年だから仲良くなれるというのは自分の中ではなくて、同い年だからこそ「どう接したらいいんだろう?」という気持ちの方が強くて。

3人とも連絡先を聞いて、ご飯に行こうというタイプでもなかったので、(最初は)ちょっとした壁はあったと思うんです(笑)。それが自然と集まるようになったり、話すようになったので、すごくいい距離感で仲良くできたなぁって思います。

岡本:私は二人とプラベートでたまたま顔を合わせたことがあったり、梨奈ちゃんとはバラエティー番組で共演したりとか、お芝居じゃないとこで出会ってはいました。今回の役がちょっと一歩引いて地味な女の子だったので、現場でもそういうスタンスで、二人を立てられるようにやろうと思っていたんですけど、二人が面白過ぎて…(笑)。

武田:うそだぁ(笑)。

岡本:私は関西人なのでツッコミたくなるんです(笑)。二人とものほほんとした顔をしながら、作品にかける思いは熱いものを持っているので、すてきだなぁって思いながら撮影していました。

――お二人が面白いというのは、撮影中以外でもですか?

岡本:カメラが回ってない時でもです。二人で何かちょこまかと小競り合いじゃないですけど(笑)。

矢野&武田:(笑)。

岡本:私はニヤニヤと見ていました。

武田:確かにそういうことが多かったかも。玲ちゃんが結構ツッコんでくれていましたね。

矢野:僕は“小競っている”つもりはなかったけど。

武田&岡本:(笑)。

矢野:単純に(僕が)二人にいじられていたなぁっていう記憶がありますよね。

武田:クールなので、どこかそれを壊したいなっていうのはありましたね。

矢野:いやいや、クールではない。そこが違うんだよ。

岡本:優しさの出し方とか下手だよね?

武田:そうそう。隠れて何かをするタイプだもんね。

岡本:例えば、ずっと撮影をしていて、差し入れのお菓子とかが減ってきたら、矢野君は(主役で)一番忙しくて、休みは一日もないくらいだったのに、自分でコンビニに寄って、自腹で買って、それをそっと置いておくんですよ。でも、スタッフさんは矢野君が買ってきたとは気付かずに、違う人の名前で(お菓子のところに)「差し入れありがとうございます」とか書いていたりして(笑)。

矢野:お弁当がないこともあったね。

武田:あったね~(笑)。

岡本:みんなとの距離感だったり、この作品だからこその距離感をすごく考えて、ちょっとずつ仲良くなっていったりしている中で、(矢野君が)座長だからと考えていることが、あまりみんなに伝わっていなくて(笑)。でも、それがかわいいところで、(私たちは)そういうのを突っついていました。

――座長としていろいろ考えていたんですか?

矢野:まぁ…差し入れはそうですね。

岡本:ふふふ(笑)。

武田:なのに、他の人の名前で書かれていたんだよね?(笑) でも、(矢野君は)怒らないんだよね。責めないし。

岡本:でも、(言うべきことは)ちゃんと言ってくれる。みんなから好かれていましたね。

■ 岡本玲「和歌山を伝えることができる作品」

――クジラとの撮影は大変そうですね。

矢野:ずっと撮影で接していましたが、クジラたちは普段以上に技をやったり動いてくれたりしていたので、いろいろな面でクジラたちが心配でしたね。僕ら以外でも、監督やスタッフさんも心配をしていたし、だからこそ早く撮らなきゃとか考えてやっていました。

でも、クジラが疲れてきたり、お腹いっぱいになったりすると、こちらの言うことを聞かなくなっちゃうんですよね。いろんな所に遊びに行っちゃうんです。

武田:一回、一頭のクジラの機嫌が良くなくて暴走しちゃったことがあったんです。クジラって団体で行動する生き物なので、私が担当していたクジラも一緒に付いていっちゃったんですね。

対生き物だったので、そこはクジラだけに頼っては駄目だなって思いました。すごく疲れているだろうし、不慣れなことをこの撮影期間中にやってもらっていたので、自分もクジラに頼らずにもっと頑張らなきゃなって思いました。

――撮影でクジラと触れ合ったことで、印象が変わったのでは?

矢野:元からそれほどクジラの予備知識がなかったので、一つ一つがそれこそ新しい発見ばかりでした。全部がそうですね。

例えば、クジラもそれぞれに好きな食べ物などがありますし、癖が違ったりとか、種類もいろいろいるし、得意な技や不得意な技もいろいろある。そういうのは、僕らがこの作品に関わらないと分からないことだったので、この役をやらせていただいて良かったです。

今後またショーを見る時などは、これまでと違った見方になるんだろうなって思います。

――では、最後に読者へメッセージをお願いします。

岡本:私は和歌山出身で、いつか和歌山に関連した映画に出たいという思いがありました。クジラという和歌山の中でもナイーブというか、いろんな歴史がある部分に深く入り込んだ作品を作ったことが、すごい勇気だなって思います。

これだけの温かい作品に仕上げていただいたこともうれしくて、和歌山の自然の素晴らしさ、空気の温かさ、人柄、歴史、文化、全部引っくるめて、いろんな人に伝えることができる作品が完成したことが、県民としてうれしいです。

ちょっとでも気になる方には見ていただきたいですし、和歌山にも来ていただきたいですね。きっと見たら和歌山に行きたくなるような作品になっていると思います。

武田:今の時代はSNSだったり、いろんな形で伝えることができると思うんですけど、この作品はそういうものではなく、生き物だったり、人間だったり、ちゃんと何かとぶつかって、葛藤して成長していくというお話なので、こういうふうにアナログで伝えることはすてきだなって思います。

生き物や自然に感謝することってなかなかできない世の中になってきているので、そういう意味でも今の時代に見てほしい作品です。いろんな歴史や文化がこめられている作品なので、特に若い方に、ぜひ見ていただきたいです。

矢野:この作品にかけるみんなの熱い気持ち、自然やクジラなど和歌山特有のことなど、たくさん詰まっています。

僕が「こういう映画です」って決めつけるよりは、見ていただく方にいろんなふうに感じていただきたいなって思いますし、それによって和歌山県に来てみたいと思ってくれてもいいし、クジラのショーを見たいと思ってもいい。大きな夢を持ちたいとか、夢を持っている人を応援したいとか、この映画を見て、いろいろなことを思ってほしいなって思います。いろんな方に見ていただきたいです。

(ザテレビジョン)

ザテレビジョン