調達・購買コンサルタント、坂口孝則が解説する「売上高4兆7000億円のドン・キホーテ×ファミリーマート連合は何を目指すのか?」

11/9(金) 6:10配信

経済ニュースのバックヤードを解説する坂口孝則氏

あらゆるメディアから日々、洪水のように流れてくる経済関連ニュース。その背景にはどんな狙い、どんな事情があるのか?

【画像】一般的な棚配置とドン・キホーテで見られる棚配置

調達・購買というビジネスの舞台裏を専門とし、データ収集・分析を得意とする坂口孝則(さかぐち・たかのり)氏の新連載が週刊プレイボーイ47号(11月5日発売)からスタートした。

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■イオン、セブンに対抗する第三極に
週刊プレイボーイでビジネスニュース解説の連載を開始した。読者にヒントとなればうれしい。

一回目はドン・キホーテだ。

ドンキホーテホールディングス(HD)がユニー・ファミリーマート(以下、ファミマ)HD傘下のスーパーのユニーを買収する。両社は今年から、ユニーの一部店舗を「MEGAドン・キホーテUNY」へ転換し共同運営をしていた。そのためにドンキはユニーに4割を出資した。

転換した店舗では売上高は56億円から109億円(今年3月~7月実績、転換前比較)へと成長を遂げた。また、ドンキは実験的にファミマとコラボしたコンビニもオープンしていた。そこにきての買収だ。

さらに、ドンキは、ユニー・ファミマにたいし、逆に2割の株式を売却する。これによって、イオン、セブン、ドンキ連合の三巨人の構図が生まれた。

ドンキは2007年に総合スーパーマーケットの長﨑屋を買収し、そこから食品販売のノウハウを培ってきた。もともと総合ディスカウンターは、お客の来店頻度をあげるのが課題だ。

そこで、ドンキは、食品を「驚安販売」することでお客を訴求し、他の日用品を「ついで買い」させる。そして、その非食品領域で稼いだ利益を、さらに食品仕入れに充(あ)てたり、あるいはプライベートブランド商品開発につぎ込んだりして、その優位性を高めてきた。

結果、ドンキは29期連続で増収増益を果たした。ユニー・ファミマとあわせ売上高4兆7000億円もの連合が誕生し、ドンキグループで見ても1兆円に達しようとしている。亜流の小売業者も、いまや日本有数の企業となった。

そもそもドン・キホーテの各種手法は、安田隆夫創業会長が、前身の「泥棒市場」なるディスカウントショップを運営する過程で偶然に見つけられたものが多い。たとえば、手書きのPOPは、氏が卸から廃盤品を大量に買い取って、そこに洪水のように手書きの商品紹介を付けたのがはじまりだった。

同社の看板でもある圧縮陳列も、置き場と倉庫がなかったため、苦肉の策として誕生した。また、深夜営業も、氏が夜な夜な荷解(にほど)きをしていた際に、通りすがりのお客から入店して良いかと声をかけられたためだった。

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ドン・キホーテ×ファミリーマート