高畑充希、主演として「戻ってこられる作品」に出会えた幸せ

高畑充希、『忘却のサチコ』インタビューフォト

 「昔、ある人に『見れる景色は全部見とけ』と言われたことがありました。だから、全部見られたらいいなと思います」。そう語るのは、女優の高畑充希だ。10月12日スタートの新ドラマ『忘却のサチコ』(テレビ東京系/毎週金曜24時12分)で主演を務める彼女に、食を題材にした同作の撮影秘話や、最近における心境の変化、立ち位置を問わない女優としてのスタンスなどについて話を聞いた。

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 本作は、阿部潤による同名コミックのドラマ化。文芸編集者の佐々木幸子(高畑)が、結婚式当日に失踪した婚約者の俊吾(早乙女太一)を、それまで無関心だった食事に魅了されることで忘却する姿を描く。真面目な一方で不器用なサチコを演じるうえで重視したことを聞くと、高畑は「自分自身もそうなんですけど、結構ヌケていたり、一生懸命やっていることが変だったりというおかしさがあるので、なんとなくでやるとボンヤリしてしまいそうで。だから“一生懸命やること”をいつも念頭に置いていました」と答える。

 今年の正月にドラマスペシャルが放送され、晴れてレギュラー化となった本作。この秋には『過保護のカホコ』(日本テレビ)のスペシャルドラマも放送された高畑にとって、こうした「戻ってくる作品」の存在は大きい。「初めてドラマで主演を務めたのが朝ドラで、朝ドラが終わって最初の連ドラが『過保護のカホコ』でした。その後に『忘却のサチコ』なんです。主演をやらせていただくようになってから、『もう一回戻ってこられる作品にはなかなか出会えない』と思いましたし、見たいと言ってくれる方がいないと実現しない。そういう作品に立て続けに出会えたのは、すごく運がいいと思いますし、うれしいです」。

 15歳の時にミュージカルで女優デビューを果たした高畑も、今年で27歳。そのキャリアは長い。今や映画、テレビドラマに加え、多数のCM出演により、日本中の誰もが知る女優となった。女優業がこれだけ続くものだと思っていたか問うと「全然です(笑)。もともと志望している方向が、今とは少し違ったというか…どちらかと言うと、舞台や演劇だったので」と微笑む。

 最近では歌唱力を活かしたCMも話題を呼んだが「22歳くらいで初めてCMに出たんです。だからCMに出られるようになって、まだ4年くらい。やっぱり変な感じです。テレビをつけていて、自分が不意に来ますから(笑)」と慣れない様子だ。しかし「今のキャリアも、自分の当初のイメージとは違いますけどなかなか望んでも進めない道だったと思うし、いろいろなタイミングや運があって、今こうなれていると思うので、幸せだなと思います」と白い歯を見せる。

 主演という立ち位置については「もともとは主演じゃない役の方が、自分には向いているかなと思って仕事をしていたので、こうやって主演をできるようになったのも、最初はびっくりというか、あまり気持ちが追い付いていませんでした」と述懐。だが、経験を重ねることで心境に変化が生じたとのこと。「たぶん、年齢が上がっていくと主演の機会も減ると思うんです。お母さんだったり、おばあちゃんになったときに。でも今の年齢って、お話の真ん中になる世代で、真ん中であることが多いから、挑戦させていただける時にはやりたいですね」。

 ここ最近は主演作が耳目を引くが、脇に回ることも厭わない。「主演の大変さも分かって、また脇に行ったら、もっと主演の人を思いやれるんじゃないかと思うんです。昔、ある人に『見れる景色は全部見とけ』と言われたことがありました。だから、全部見られたらいいなと思いますね」。27歳にして、芸歴は12年。立ち位置を問わずに女優の道を歩み続け、今もなお自らを研ぎ澄まさんとする彼女の横顔からは、芝居に対する誠実で貪欲な心が垣間見えた。(取材・文・写真:岸豊)

 ドラマ24『忘却のサチコ』は、テレビ東京系にて10月12日より毎週金曜24時12分放送。

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