任期中に改憲を目論む安倍首相の意図は、内閣改造より「党人事」にあり!

10/7(日) 6:12配信

加藤勝信総務会長(前任は竹下亘氏)、甘利明選挙対策委員長(同・塩谷立氏)、下村博文憲法改正推進本部長(同・細田博之氏)。改憲を進めたいという首相の意思が見える人事だ

サプライズに乏しい閣僚人事より、首相の意図は「党」にあり――。第4次安倍改造内閣の発足後、永田町からそんな声が聞こえてきた。自民党関係者が言う。

「細田、麻生、二階、岸田の主要4派閥などにバランスよく配分した"派閥均衡内閣"は正直、クソつまらない(笑)。それよりも重視すべきは党人事です。党重役の人事を見れば、安倍首相の胸中がはっきりわかりますよ」

そのポイントは3点。(1)内閣不調時の備え、(2)改憲加速、(3)「お友達」復活だ。

まず(1)。今回、初入閣組が12人もいる。多くは政治手腕も未知数で、内閣がいつガタついてもおかしくない。

「そこでその"保険"として、首相が手をつけたのが党四役のひとつ、総務会長人事です。総裁選で造反した竹下 亘(わたる)氏に代えて、懐刀の加藤勝信氏を厚生労働大臣から横滑りさせてまで、総務会長に就けました。総務会は党の最高意思決定機関で、すべての人事、法案は総務会の同意なしに成立しない。そのトップに加藤氏を置いておけば、新閣僚のスキャンダルなどで内閣が少々ガタついても、政権は維持できる。そんな計算が透けて見えます」(自民党関係者)

政治ジャーナリストの川村晃司氏もこううなずく。

「党四役の選挙対策委員長に、政治資金スキャンダルでしばらく水面下に潜っていた甘利 明元経済再生担当大臣を据えたことも注目です。来年夏の参議院選挙で敗北すると、安倍一強は崩れ、ヘタすれば退陣を迫られかねない。そのリスクを避けたい安倍首相は、盟友で実績もある甘利氏を選対委員長に返り咲かせ、党内から参院選を仕切ってもらおうと考えているのでしょう」

(2)の改憲加速のキーマンは、やはり以前、政治資金スキャンダルが噴出した下村博文元文部科学大臣だ。前出の自民党関係者が解説する。

「首相は同じ憲法観を持ち、忠誠心の高い腹心の下村氏を党の憲法改正推進本部長に起用しました。そこで浮上するのが下村―加藤―甘利の"改憲トライアングル"です。まず下村氏に持論の9条3項追加案を党の改憲案として取りまとめさせ、総務会で加藤氏にその発議を決定させる。そして、甘利氏が発議後の国民投票を担うという流れです。首相はこの3人の働きをテコに、改憲をスピードアップさせるつもりでしょう」

そして、最後は(3)のお友達復活。首相は陸上自衛隊の日報問題で引責辞任した稲田朋美元防衛大臣を、小泉進次郎氏に代えて党筆頭副幹事長に、公職選挙法違反が疑われる「うちわ配布問題」で辞任した松島みどり元法務大臣を党広報本部長に登用した。

「目をかけてきた"安倍ガールズ"に復活のチャンスを与えたということ。お友達優遇との批判は覚悟の上だと思います」(自民党関係者)

今回の党人事を、前出の川村氏はこう総括する。

「首相は『自分の立ち位置はブレない』と、党人事を通じて宣言しているように見えます。改憲にしろ、お友達優遇にしろ、残り3年の総裁任期中にやりたいことはすべてやろうということでしょう」

お友達はおいといて、"改憲トライアングル"の3人はいずれも実力派。ただ、そのうちふたりは政治資金スキャンダルを払拭(ふっしょく)できているわけではない。さて、どうなる?

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