江戸時代において歌川広重の存在はどれほど大きかったか

9/14(金) 17:00配信

 今から160年前、安政5年(1858)9月、江戸の浮世絵師、歌川広重は62歳の人生を閉じた。一説には流行のコレラにかかった為とされる。太田記念美術館では没後160年を記念しこの絵師の全貌を紹介する展覧会が開催中だ。

 寛政9年(1797)、定火消しの家に生まれた広重は幼い頃から絵が好きで、絵師を志す。天保4年(1833)、「東海道五拾三次」が好評を博し人気浮世絵師となった。

 山河や雨風など自然の情景。道行く旅人やそこに暮らす人々。広重はそれらを織り交ぜながら名所の様子を見事に描いた。今回この絵師の真骨頂である風景、さらに美人画や武者絵、花鳥画、戯画など、貴重な作品があまねく揃う。

 浮世絵に風景画という分野を確立した広重。会場には200点に及ぶ作品が並ぶ。配色や構図など機知に富むその画面と向き合えば、江戸における彼の存在の大きさを痛感するだろう。

INFORMATION

『没後160年記念 歌川広重』
~10月28日 太田記念美術館 03-5777-8600(ハローダイヤル)
※前期と後期で全作品を入れ替え、全会期通して200点以上の作品が展示される。
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/2018/utagawahiroshige160

林 綾野/週刊文春 2018年9月20日号

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