超特急、主催フェス最終日 ホストの意地をかけた全力パフォーマンスで5000人を魅了

出演者全員でのセッション撮影/米山三郎、深野輝美、冨田望

■超特急/【“超”超フェス】レポート
2018.08.09(THU) at 東京国際フォーラム ホールA

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「好きな屋台」で盛り上がったオープニングトーク
年末にアリーナツアーを控えるなど、勢いに乗る6人組のメインダンサー&バックボーカルグループ超特急。昨年に続いて主催フェス『“超”超フェス』を2日間に渡って開催し、計1万人の観客を魅了した。

2日目となる8月9日。開演前から、会場に詰めかけた約5000人の8号車(ファンの愛称)が前日にリリースされたばかりの新曲「Jesus」を合唱。ホスト6人の登場を待ちわびていた。オーバーチュアが流れる中、櫓の上から6人が勇ましく登壇。自身のイメージカラーと白を組み合わせた、初日と趣の異なる甚平を着用している。純白がイメージカラーのタカシは、白×8号車のカラーのピンクに染められた甚平を身にまとうなど細部にまで、ファンへの思いが込められていた。

フェス2日目の1曲目は、開演前に8号車が合唱していた「Jesus」。早くもすっかり体に馴染んだようで、6人の歌やダンスに合わせて合いの手やふりを入れるタイミングも息ぴったりだ。

「みなさん。こんにちは! あれ、こんばんはですか? 2日目、始まりました」とリョウガが改めて開会を宣言。ユースケは「みなさん、元気かい? 男性、女性、お子さんも!」と親しみを込めて呼びかける。“男子”“女子”ではなく、妙に丁寧な呼び方なのが、なんともユースケらしい。一方、タクヤは「台風は大丈夫だった? ありがとう、来てくれて」とまっすぐな言葉で感謝を伝えた。8号車にとっては格別嬉しい言葉に違いない。リョウガもすかさずまねをして「ありがとう、来てくれて」とおうむ返し。すると、優しい8号車たちは黄色い声を上げた。その好反応に「うれしい♡」とご満悦のリョウガだった。

フェスのテーマが「祭り」ということで、トークは「好きな屋台」の話題に。最初に振られたユースケは、まるで子供のように瞳をキラキラと輝かせながら「うわ~! 焼きそば!!」と断言。こんなに短い言葉で、最上級のハッピー感を伝えられる人はそうはいないだろう。「濃いソース味で、青のりがのってるやつがベスト。実家は青のりがかかってないから」と思いの丈をぶつけた。

リョウガに順番が回ると「えっと……」と言葉を濁す。「祭り」がテーマのフェスの主催者でありながら、スーパーインドア派のため、祭りにはいかないのでは?という疑惑が……。慌てて、「わたあめが好き」と答え、なんとかその場を切り抜けた。タカシのお気に入りは「ベビーカステラ」だそうで、「たまにハチミツ入りの屋台があって、それを見つけるとめっちゃテンションが上がる」と、弟キャラ全開で答えていた。かと思えば、タクヤは男の子らしく「ソースせんべい」と回答し、男子メンバーがみんなで同意。カイはといえば、前日「りんご飴」と答えたのだが、「不動の1位はやっぱりりんご飴」と一途な性格がちらり。「ベスト3は、わたあめとラムネかな」と、お祭り感漂うラインナップを上げた。

ひとしきり屋台ネタで和んだ後、リョウガは「この夏、お祭りに行った方もそうでない方も、人生でイチバンの夏にしようぜ」と熱く呼びかけつつ、2日目の超ゲスト陣を紹介。「なかにはDJってよくわからない人もいるかもしれないけど、きっと好きな曲があるから楽しんで」とカイが優しくフォロー。「ここからはペンライト消灯、禁止です」とカイが言えば、リョウガも「ペンライトの電池が消耗するとか気にすんじゃねえぜ!」とハッパをかけ、ゲストへとバトンを渡した。

トップバッターは「大御所すぎる」(カイ)本格派バンド、FLYING KIDS
トップバッターは、結成30周年を迎えた本格派ファンクバンド、FLYING KIDS。カイが「大御所すぎる」と敬意を払うのも無理はない。

フロントマンの浜崎貴司はオレンジの法被姿で登場。フェスのテーマに似合う賑々しいナンバー「ラッセーラ」でスタート。切れ味の良いギターのカッティングや濃密なグルーヴ感は、もしかすると8号車にはなじみが薄いサウンド感だったかもしれない。特に2曲目「新・秋思うゆえに秋あり」は、ぐっと大人っぽい楽曲だったため若干戸惑っているようにも見えた。だが、をれこそが超特急の狙いではないだろうか。8号車にとって『“超”超フェス』が新しい音楽と出会うチャンスの場となるようにと。女性コーラスや生のホーンが鳴るゴージャスなサウンドは、きっと初体験であっても音楽好きには刺激的なものだったに違いない。

「どうですか、この法被。カッコいい? それとも、テキ屋みたいかな」と浜崎が語りかけると、8号車は大ウケ。法被にストローハット姿は、たしかにそれっぽく見えなくもない。すると、コーラスの女性が「今日いちばんの笑いをいただきました」と続けて笑いを誘う。この臨機応変さ、さすがベテランの技だ。

「子供くらい歳の離れた超特急のみんなにイベントに呼んでもらいました。大人の階段を上りすぎた僕らだけど(笑)、もっと盛り上げてね」と浜崎がチャーミングにお願いすると、8号車は気前よくペンライトを振った。美しいピアノの調べからキラキラしたポップチューン「ファンキースター」へ入ると、ユースケとタクヤ、リョウガが、リズムに合わせてステージに躍り出た。続いて、カイとユーキも踊りながら登場。最後に姿を見せたタカシは、浜崎と一緒に歌唱。世代を超えたコラボ曲に合わせ、ダンサー5人は櫓に上がりグルーヴィーなサウンドに乗って、セクシーに身をくねらせるようなダンスを披露した。

歌い終わると、笑顔で浜崎が「タカシくん、俺も“たかし”なんだよ」と告白。すると、すかさず8号車が「パパたかし!」と呼び、アットホームな空気となった。嬉しげに微笑みながら、浜崎は「平成の間歌い続けてきた大切な歌を贈ります」と8号車にヒット曲「幸せであるように」をプレゼント。ゆったりとしながらも、じんわりと胸が熱くなるメッセージソングは、世代を超えて愛され続けている。8号車も深い想いを受け取るように、ペンライトを優しく左右に振っていた。

DJ和の選曲にリョウガ&ユーキがオタ芸で狂喜乱舞
大人っぽいムードを激変させたのは、J-POPやアニソンなどの邦楽のみでDJプレイする、話題のDJ和だ。櫓の上にDJブースを設営したDJ和は、「一緒に夏を楽しみましょう!」と叫び、TM RevolutionやT.R.F、ゴールデンボンバーなど、誰もが知るメガヒットチューンをシャワーのように浴びせ続けた。途中、「サビのめちゃめちゃ盛り上がるところ、ついてきてください」と呼び掛けた、

B'z「ultra soul」では、お約束の部分で全員が絶叫。さらに、「超超超~、Everybody」の掛け声を繰り返し、会場の熱はさらに高まった。

そんな中、ステージ右端にメガネをかけリュックを背負い、ジーンズにシャツをインした見事なまでに“オタクくん”になりきったリョウガが登場すると、会場は笑いとざわつきでいっぱいに。人気コンテンツ『ラブライブ!』μ'sの楽曲「夏色えがおで1,2Jump!」がかかると、リョウガは狂喜乱舞した。かと思えば、オタクなユーキが会場の通路に姿を見せると、8号車は絶叫を上げ大混乱&大歓迎。今度は「帰り道」に合わせてノリノリになった。

そんな2人が櫓の上に登ると、今度は大人気ボカロ曲「千本桜」が流れ始めた。待ってましたとばかりに、2人はリュックからハイパーな光を放つペンライトを両手に持ち、全身全霊をかけた“オタ芸”を披露。あまりの熱量に、ユーキは櫓の飾り提灯を落としてしまうほど。あっけにとられながらも、その凄まじさに8号車は大きな拍手を贈った。「最高だったでござる」と互いに満足気な表情を見せた2人の熱演は、5000人の記憶に刻まれたにちがいない。

ベリーグッドマンはサービス精神旺盛なパフォーマンスを披露
熱狂のDJタイムの後は、各地のフェスに引っ張りだこの3人組、ベリーグッドマン。今年3月、北海道の野外フェスで超特急と共演した彼らは、陽気さと心温まるメッセージが魅力だ。「ベリーグッドマンです! DJ和さん、盛り上げすぎちゃうか」と大阪人らしい言葉とともにステージに登場。MOCAは額に大きく「超」の文字を書き込むなど、サービス精神も旺盛だ。

「まずはそこから」から始まると、トラックに合わせて「音楽好きならその手を上げてみろ」と8号車に歌いかけた。盛り上げ上手な3人は、瞬く間に国際フォーラムをホームにしてしまったようだ。レゲエのサウンド感が心地よい「ライトスタンド」などを披露する合間も、「超特急の音楽があれば大丈夫」と、8号車の目線に合わせた即興のコメントやラップで8号車と繋がろうとしていた。

そして「みんなでタオルを振り回せ!」の号令で「Vibes UP!!」へなだれ込むと、ジーンズとシャツのカジュアルなスタイルに着替えた超特急の6人が登壇。ハイスピードでハイテンションなナンバーに合わせてブレイクダンスを決めるなど、カッコいい姿で魅せてくれた。

パーティー感満載のナンバーの後は、高校球児だった彼らだからこそ描ける胸が熱くなるミディアムバラード「ライオン」。8号車も、夏特有のどこか切なくノスタルジックなムードをしみじみと味わっていた。

最高を更新! 全力で臨んだ超特急の圧倒的なステージ
いよいよ、お待ちかねの超特急の登場だ。ユースケの「踊りと歌で今を楽しめ!」の言葉でライブの火蓋は切って落とされた。1曲目はハイエナジーでカオティックなナンバー「バッタマン」。センターを務めるユースケは、「FLYING KIDSさーん!」と超ゲストの名を呼び、感謝を叫んだ。かと思えば、タカシとチューする寸前のポーズで8号車の黄色い声を一身に浴びていた。

続く「Booster」は、メインダンサーが次々とラップをつなぎ、タカシにバトンを渡す超特急にとって新感覚のヒップホップチューン。パフォーマンスを重ねるごとに、ラップに個性が芽生えているように感じられ、この先どう育つかが楽しみだ。また、躍動感あふれるアクロバティックなダンスも見所で、ユーキは華麗に2連続で回転ジャンプを決めてオーディエンスを魅了した。

「ライブパート、始まりました。昨日、今日とやってきたわけだけど……。楽しいね!」とリョウガ。うなずきながらカイは、「エンタテイナーの皆さんと一緒のステージに立てる機会はあまりないしね」と続ける。先ほど姿を現した“オタクくん”に話が及ぶと……。リョウガは「途中、記憶がない」ととぼけ、ユーキは「(全力でオタ芸したので)疲れた」と吐露。「ステージ裏では、大爆笑だった」とカイは嬉しそうに笑った。その場にいる全員が思い出を共有できるのもライブならではの醍醐味だろう。 

ポップでキャッチーな「up to you」は、前向きなメッセージとタカシの伸びやかな歌声がマッチした元気になれるナンバー。ユーキとリョウガが腕でハート形を作り、その間からカイを先頭にした4人が顔を出すパフォーマンスも見ていて心があったかくなる。

タカシの「次の曲、行ってみよう!」の声とともに、ハイテンションな「超越マイウェイ」へ突入。語感の面白さとノリの良いリズムに、自然と体が動きだす。歌舞伎の見得や殺陣を彷彿とさせる直線的な動きと、艶っぽいしなやかな曲線的なダンスが融合するハイブリッドなパフォーマンスも新しい。

「最後まで楽しんでいきましょう」とユーキが呼びかけ、爽快な「fanfare」へ。イントロに合わせて8号車が「wow wow」と、高らかに歌い超特急を鼓舞する。勇壮かつ美しい光景だ。途中、「みんな一緒に」とカイが、「もっともっとみんなの声が聞きたいです」とタカシが呼びかけると、「wow wow」の大合唱がホールを埋め尽くした。

本編ラストは『“超”超フェス』テーマソング「SAIKOU KOUSHIN」。「昨日は1曲目にやりました」とリョウガが言うと、ライブ演出を手掛けるユーキは「今日という日が、最高を更新になる、そしてこのフェスが神イベントになるようにという思いを込めて、今日は最後にしました」と、この曲への思いを伝えた。「みなさん、SAIKOU KOUSHINする準備、できてますか」とリョウガの叫びとともにラストソングへ。メンバーの体を駆使して、逆上がりやリフトなどを次々と決めていく。これまでも全力でパフォーマンスしてきた彼らに、まだこれほどのタフさが残されていることに驚くほかはない。

「最高、更新できましたか? 来年も『超超超フェス』やります! ……多分(笑)」というリョウガのちょっと曖昧で、でも本気の約束で本編は幕を下ろしたのだった。

楽しい宴もついに終演……「年末に向けてSAIKOUの一歩になりました」(リョウガ)
もちろん、ここで終わるはずはない。アンコールの声に導かれて、6人は法被を羽織って櫓の上から再登場。スピード感あふれる「SAYNO」で再演。コミカルなふりと力強さが相まったナンバーもまた超特急ならではだろう。間奏でタカシとユースケを除く4人は腕立て伏せをする場面も見られ、どこまで体力自慢な人たちなんだと半ば呆れるほどだ。

「みんなの声、聞かせてくれ!」とユースケが叫び、「Burn!」では2組に分かれて左右ステージのギリギリまで走って行った。大喜びの8号車に向けて「一緒に歌おう、いいかい」とさらにユースケが一体感を求め、会場はますます熱気に覆われた。

フェスの成功に満足したのか、リョウガが「俺、思うんだよ。宇宙一の幸せ者だなって」とイケメン声で告白すると、カイはすかさず「何キャラだよ」と笑いながら突っ込んだ。阿吽の呼吸から、彼らの親密さが伝わって来るようだ。

「超ゲストのみなさんにまた会いたいですか!?」とリョウガが問いかけると、大きな歓声と拍手が起こり、この日のゲストが総揃い。フェスの感想を尋ねられると……。浜崎は「今年はバタバタしていて、まだ祭りに参加できてなかったので楽しかった」とコメント。すると、8号車から「たかし」コールが。ちょっぴりタカシがやきもちを焼いていたのがキュートだった。DJ和は「まさか櫓の上でDJができるなんて思ってもみなかった」と感激仕切。ユーキは「選曲が神でした」と感動を直接伝えていた。

「このまま終わるなんてありえないですよね」とリョウガ。ユーキが用意周到にゲストたちへ特製手ぬぐいを手渡しながら、「ブンブン振り回して、楽しんでいきましょう!」と絶叫。EDMに乗せてメンバーとゲストが入り乱れたまま「浮つきWAVE」へとなだれ込んだ。タカシは即興で「“超”超フェス、終わらないで」と歌ったが、きっと会場のみんなもそう感じていただろう。ラストにキャノン砲が豪快に打ち放たれ、ピンクのテープがキラキラと舞い落ちて宴は終演となった。

「あっという間だったね、寂しい」とカイがぽつりと呟けば、リョウガが「この儚い感じも祭りっぽいね」と(彼には珍しく)ロマンチックなコメントが飛び出した。さらにこう言葉を続けた。 「(アリーナツアーが控える)年末に向けてSAIKOUの一歩になりました」と。「これからも一緒に歩んでいきましょう」とカイ、「気をつけて帰ってね」とタクヤも、それぞれのらしさいっぱいの言葉を8号車に届けて2日間の祭りは静かに終わりを告げた。

MCで語ったように、来年はきっとさらにパワーアップしたフェスを魅せてくれるだろう。彼らの圧倒的な爆発力を備えたパフォーマンスと、人をグイグイと惹きつける求心力を目の当たりにして、それを確信した夜だった。
(取材・文/橘川有子)

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