差の大きかった日本代表の”惜敗”にセルジオ越後「『感動をありがとう』で終わっては進歩がない」(週プレNEWS)

7/12(木) 6:14配信

監督はいろいろなプランを持って試合に臨まなければいけないと語るセルジオ越後氏

日本代表がロシアW杯決勝トーナメント1回戦でベルギーに2-3で敗れた。

大会を通して、W杯出場が今回で最後になるかもしれないベテランたちがよく頑張ったと思う。長友など選手たちの必死なプレーからは、この大会にかける気持ちが伝わってきた。まずはお疲れさまと言いたい。

ただ、W杯は結果がすべて。結局、ベスト16の壁は今回も越えられなかった。「よくやった」「感動をありがとう」と称えるのもいいけど、そこで終わってしまっては進歩がない。

確かに、ベルギー戦は1点差で、しかも後半途中まで2点をリードしていたのだから、"惜敗"といえるかもしれない。後半アディショナルタイムに決勝点を奪われる展開も劇的だった。でも、冷静に内容を見れば、スコア以上の力の差があった。

体を張ってよく守り、よく耐え、カウンターから少ないチャンスをモノにする。2-0になるまではプランどおり。でも、そこからゲームをコントロールできなかった。「いけるかも」と思って、中途半端に攻めたのが裏目に出た。

2点リードしているのだから、無理をして攻める必要はなかったんだ。しっかりと守備のブロックをつくってカウンターを狙うか、もしくはこの試合でこそポーランド戦のように後ろでゆっくりとパスを回し、ボールを持つ時間を長くすべきだった。たとえブーイングを受けたとしてもね。

でも、日本は時間稼ぎをせず、ファウルも有効に使わず、もらったイエローカードはたったの1枚。フェアプレーに徹して負けたのはなんとも皮肉だ。僕だってブラジルのネイマールのような"演技"をしろとまで言うつもりはない。それでも日本の選手たちはあまりに純粋すぎた。

西野監督の采配も柔軟性を欠いた。ベルギーは2点をリードされると、フェライニ、シャドリと長身選手を投入し、高さ勝負に切り替えてきた。なのに、どうして西野監督は槙野や植田など高さに強いDFを入れるなどの対策を取らなかったのだろう。結局、グループリーグでの成功体験にとらわれたのか、本田、山口を入れる"決めごと"の交代を行なってしまった。

監督はいろいろなプランを持って試合に臨まなければいけない。リードしているとき、リードされているとき、勝負にいくとき、相手が動いたときにどう対応するのか。この試合に関していえば、途中から入ってきたふたりにゴールを決められての逆転負けだから、ベルギーのマルティネス監督のほうが上手だったということ。

大会全体を振り返っても、日本は1勝1分け2敗で負け越し。10人のコロンビア以外からは勝ち点3を奪えなかった。それが現実だ。

今後の日本の課題は世代交代。奇しくも、今大会はポルトガル、アルゼンチン、スペイン、ドイツなどベテランの多い、世代交代の遅れている強豪国がことごとく早期敗退した。それらの国と同様に、日本が新たにどんなチームをつくっていくのか。本来ならば、このロシアW杯までにもっと若い選手が出てきてほしかった。

ここから、さらに上を目指すのは簡単なことではない。時間がかかるだろう。あくまで一案に過ぎないけど、かつてのトルシエ監督のようにA代表と東京五輪を控えたU-21代表をひとりの監督に託し、連携して強化することも考えるべきじゃないかな。

構成/渡辺達也

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