“お酒大好き”パックンが語る「アルコール依存症」の日米文化論──なぜアメリカは大っぴらに告白できるのか(週プレNEWS)

7/5(木) 14:42配信

アメリカでは有名人が依存症を告白し、治療に入ることを社会がポジティブに応援する印象があるが、それはなぜなのか? その歴史的背景に触れながら、パックンが解説!

ここ数年、アルコール、薬物、ギャンブルなど様々な依存症が社会問題化している。中でもアルコール依存症は、酒の消費量が減少しているのに患者は増えているという。

厚生労働省のHPには、アルコール依存症は〈大切にしていた家族、仕事、趣味などよりも飲酒をはるかに優先させる状態〉と記されている。同省の研究班によると、日本におけるアルコール依存症者数は約109万人(平成25年推計値)だが、治療を受けている人は約4万3千人(平成23年調査)。多くの患者が治療を受けていないことがわかる。

この数字のギャップが意味するものは、アルコール依存症=「意志が弱い」「恥ずかしい」といった社会的イメージだろう。アルコール依存症は治療を施すべき病気だが、こうしたイメージによって患者が治療に踏み出せず、問題が悪化してしまうケースも多いという。

アルコールに限らず、様々な依存症が社会問題化しているアメリカの場合はどうなのか? 「お酒は大好き!」というパックンマックンのパックンこと、パトリック・ハーランさんに聞いた──。

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──時々、アメリカの芸能ニュースが「俳優の〇〇さんがアルコール依存症の治療施設に入った」とか「歌手の〇〇さんが数ヵ月にわたる薬物依存症の治療を終えて復帰した」という話題を大っぴらに報じているのを目にしますが、日本ではあまりそういう報道は見ないですね。

パックン ほとんど見ないですよね。日本にも覚醒剤などの薬物保持や使用で逮捕された後、依存症が発覚したケースや、更正して芸能界に復帰したタレントさんもたくさんいますが、一旦は墓場に葬られ、そこからなんとか這(は)い出してきた...みたいなイメージがある。アメリカのように有名人が「私は〇〇依存症なので、しばらく治療します!」って公然とカミングアウトできるような空気はありませんね。

──アメリカ社会には依存症の治療をポジティブに応援するという印象がありますが、それはなぜでしょう?

パックン かつてはアメリカでも依存症は「恥ずかしいこと」と見なされていましたし、いまだにそんなイメージは少なからず残っています。しかし、約40年前、第38代大統領ジェラルド・R・フォード夫人のベティ・フォードが社会の認識を変える大きな転換点を作りました。

彼女自身、アルコールと鎮痛剤の依存症に苦しんでいて、フォード大統領の退任後に専門的な治療を受けた。退院後の1982年、自分と同じように依存症に苦しんでいる人たちを救おうと「ベティ・フォード・センター」という治療施設を設立したんです。依存症は恥ずかしいことではなくて、治療できる病気ですと啓蒙し、社会の見方を大きく変えていったんですね。

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