【W杯劇勝】渋谷狂乱の夜 女性に群がる“痴漢ゾンビ”出現

日本勝利に交差点は沸き返った

 サッカーW杯ロシア大会で日本がコロンビアを2―1で破る奇跡の勝利を挙げた日本時間19日深夜、東京・渋谷は歓喜のあまりサポーターたちが大暴れ。痴漢が出現し、女性が襲われるなど、収拾がつかない異常事態となった。混乱状態に陥った夜の渋谷を本紙が徹底取材した。

【写真】喜びから道頓堀に飛び込むファン

 渋谷のスポーツバーは予想外の勝利に盛り上がった。前半3分にコロンビアのサンチェスがハンドで退場になると、「あいつ、帰国したら射殺されるぞ」と優勝候補ながら1次リーグで敗退した1994年米国大会後、オウンゴールを理由に射殺されたDFアンドレス・エスコバルの悲劇を思い出したのか、心配するサポーターも。

 あるクラブでは約400人がテレビ観戦。店の責任者によれば、今回の入場者数は4年前のブラジル大会より大幅に減少したという。同責任者は「前回のW杯は1000人くらい入ってウハウハでした」。それほどまでに期待されていなかった中での勝利に、店内は喜びと熱気に包まれた。

 サポーターたちがそれぞれの店を飛び出して向かった先は渋谷の象徴・スクランブル交差点。W杯ではすでに恒例になった交差点のバカ騒ぎは今回も同様だった。センター街側の騒ぎぶりは、遠目から見ると大量のゾンビの群れのような迫力がある。近づくと、「パリン!」「パリン!」とアルコールの瓶が道路に叩きつけられて割れる音が響き、渋谷はサポーター暴徒化の様相を呈した。

 横断歩道では信号が青になるたびに、ユニホームを着たサポーターらがハイタッチを開始。それに紛れて悪質な痴漢行為も多発。女性に群がるゾンビ化した男たちも現れた。

 彼氏と渋谷の店へテレビ観戦に来た大学2年の女性は、駅へ向かうために横断歩道を渡った時、将棋倒しに巻き込まれ、下敷きになった。

 この女子大生は「かなり押されて人が乗ってきて踏まれたので、靴が脱げた。ズボンの中に指を入れられた」と半泣きで彼氏に訴えた。それを聞いた彼氏はダッシュで靴を捜しに行き、靴は見つかった。

 前回大会で横行した女性の胸を触る“パイタッチ”も確認された。ジャンプしながら「ニッポン! ニッポン!」と叫ぶ円陣の中にいる女性の胸を、おもむろに近づきわしづかみにする痴漢も現れた。片方の腕で胸を守り、もう片方の腕でハイタッチしていた女性もいる。

 過激化した一部の男性サポーターは、交差点近くの地下道入り口によじ登り、赤い発炎筒をたいて喜びを表現した。

 負けたとはいえ、コロンビアサポーターもバカ騒ぎでは一歩も譲らない。宇田川交番周辺では、黄色のユニホームを着た30人余りがサルサの音楽を鳴らして酒盛りに興じていた。体形が“ボンキュッボン”の美女同士が抱き合って熱いベロチュ~を路上で披露するなど、負けてもラテンのノリを見せつけた。

 しかし、目つきの据わりだしたマッチョな南米男性らは両手を広げて、通りすがりの自動車を無理やり止めると、持っていたアルコールを後部座席の男性に強制的に飲ませた。続いて今度はなんとハンドルを握るドライバーにまで酒を飲ませようとする暴挙に。目と鼻の先に交番があるため、ドライバーも交番を指さして「交番! 交番! 飲めない!」と必死に攻撃を振り切った。

 ただし、過去の大会時に比べると盛り上がりのボルテージは低めだったという。以前は騒ぎのピークが3時間以上も続いたが、この日は1時間もすると人の数は減っていった。スクランブルの斜め横断を禁止してシステマチックな交通整理で対応した警察も、早期に斜め横断の規制を解除するなど安定モードの“試合運び”だ。

 センター街の衣料品店では、閉店時間を延長して日本代表ユニホームを販売したが、アテが外れた。「勝ったから売れると思ったけど、5着も売れなかった。1か月前から販売しているけど、全然売れてない。在庫がさばけるくらいには売れてほしいが…」とこぼしてシャッターを閉めた。

 列島が真に「熱狂」するのか否かは、日本時間25日午前0時のセネガル戦の結果次第だ。

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