XOXを聴いて考えた、世界を意識した曲とは――近田春夫の考えるヒット

6/13(水) 11:00配信

『OVER』(XOX[キスハグキス])/『愛を頑張って』(和田アキ子)

 歌っている人間より誰が作っているのか? ついついそっちの方に気がいってしまう。先週もそんなことを書いていたのだったらば失念あっ、いや失礼。ま、それこそが習い性というものなのだろうが、いくらなんでも聞こえてくる全ての曲のクレジットの確認をしたくなる訳ではない。音にせよコトバにせよ、良くも悪くも何か引っかかるものがなければそうなったりはしないです、一応念のため。

 かつてあった、明らかにアメリカやイギリスのミックスのほうが“ロック的な興奮”をもたらしてくれていたとおぼしき時代、和物でそのような意味で“負けていないレコード”に出くわせば、これはどんな人が関わっているのか調べられるだけ調べた日々も今の私には懐かしいが、この平成も末期のご時世ともなれば、音作りに秘密やマジックなどほぼ無きに等しいといって決して過言ではない(厳密にいったらあるよ多分、少なくとも俺にはある)だろう。

 なんにせよ、世界中のどこに住もうと、そこそこの機材にそこそこの知識/情報があれば――いま述べたような文脈での――カッコいい音は誰にでも作れるようになったのは事実。もはやバジェットなどなど、環境があからさまに仕上がりに影響を与えるなんていういい訳は、通らなくなって久しいのである。

 それでも、インターナショナルなポップミュージックには歌謡曲と違い、厳然とした“新しさのレベル”の存在してしまうところが面白い……。のだが、我がJ商業音楽界におかれましては、あまりそこは重要視していないようにも見受けられることが俺には歯がゆい、残念でならぬ。すなわち世界で勝とう! という意識がなさ過ぎなのでは? とかなんとか、そんなことをつらつら考えていた矢先に、こんなコメントを発見した。XOXのプロデューサー談である。曰く、「ドメスティックなアプローチは敢えてやらないということを決めました」。

 オォ! 素晴らしい! これは早速聴いてみねば! てな訳で、以下が『OVER』に対する率直な感想だ。

 なるほど、たしかにたとえばシンセサイザーの音使いであったりとか、これがある意味英語圏/ワールドワイドでの傾向を意識したサウンドプロダクションであることもわからぬではない。

 ただ、そうしたアプローチのなかで、これが超のつく新しいものかと問われれば、リスナー的に正直申しあげてビミョーである。せっかく国内向けではない音作りを標榜されているのであれば、喧嘩ごしっていうんですか? 国際市場にて是非とも目にもの見せてくれるわ! 的勢いは、もう少し欲しかったかなぁ? 思うにコレ、国内に向けて、ドメスティックじゃない雰囲気を醸し出してみましたってだけのことなのかも……。

 和田アキ子 with BOYS AND MEN 研究生。

 彼女、企画モノなんかに頼らずアルバム出すべきでは?

近田 春夫

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