「人と人とのつながり」と聞いて「息苦しい」と感じるあなたに

6/13(水) 7:00配信

『友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える』(菅野仁 著)

 疑いなく正しいとされがちな、〈人と人とのつながり〉。SNSを始め、さまざまなコミュニケーションツールの普及によって、さらに〈つながり〉重視の傾向は強まっている。社会学者である著者(故人)は、10年以上も前に、過剰な〈つながり〉がもたらす息苦しさに目を向け、〈人と人とのつながり〉の常識を丁寧に問い直し、若年層向けの新書にまとめた。その本が今、大きな脚光を浴びている。

「出版当時の若者に向けて書かれた本ではありますが、分析されている村社会的な人間関係は、昔も今も日本社会に普遍的なもの。ですから、『みんなと仲良くしなければいけない』といったような人間関係の常識を疑う本書の提案は、現在も古びていないと思います」(担当編集者の吉崎宏人さん)

 長い年月をかけてじわじわと売れ続け、5万部に辿り着こうかという2017年初頭に、突如売れ行きが加速。原因不明のその現象を同年6月に朝日新聞の文化欄が報じたことで、爆発的な勢いが生まれた。今年春には、日本テレビ系列の人気番組「世界一受けたい授業」で又吉直樹さんに取り上げられ、ついに20万部超えのベストセラーに。

「主要な読者層である中高生だけではなく、社会人から高齢者まで幅広く読まれています。集団で生じる人間関係の難しさは、年齢を問わないのでしょう。毎年、五月病の流行る時期になるとよく売れる点も特徴的ですね」(吉崎さん)

2008年3月発売。初版8000部。現在26刷23万6200部

前田 久

【関連記事】

  • 燃え殻人生相談「“少し音信不通にする”人間関係の方法」
  • 「我慢する人生」より「好きなことだけしてる人生」に価値があるのか?
  • 20歳で夢を叶えた人気作家が、後輩の女子高生たちに伝えたこと
  • 燃え殻さん、「友だち」って何ですか?
  • 意外と多い会社内での「大人のいじめ」にあなたは気付いていますか?
文春オンライン