「差別とは思わない」が約5割、“浜ちゃん黒塗り”騒動での視聴者意識

 昨年の大みそかに放送された日本テレビ系『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日年越しスペシャル! 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ系)がいまだ、物議をかもしている。問題となったのは、ダウンタウンの浜田雅功による顔の黒塗りメイクだ。これは国内のみならず、『BBC News』や『New York Daily News』、そして『The New York Times』にも取り上げられ、 日本でもSNSを中心に大炎上。賛否両論、さまざまな意見が交わされた。ORICON NEWSでは、この騒動について一般ユーザーへの意識調査を実施した。

【写真】『アメリカンポリス』衣装に身を包んだ浜田雅功

◆一般ユーザー1,000人に調査、「差別にあたる」は全体の約8%

 番組では、松本人志らメンバーが、アメリカンポリスの衣装で登場。そんななか、浜田は大ヒット映画『ビバリーヒルズ・コップ』(1984〜1994年) のエディ・マーフィ演じるアクセル・フォーリー刑事になりきるために、顔全体を黒塗りした姿で出演した。これについて『The New York Times』は、黒塗りが差別的であるという批判的なコメントのほか、「差別する意図はなかった」の両方の立場の意見を紹介した。

 今回ORICON NEWSでは、この騒動に対する意見を10代から50代の男女に調査。計1,000人の一般ユーザーの賛否の割合は以下のような結果となった。

【黒塗りメイクを差別だと思うか?】
・差別にあたると思う……7.9%
・差別にあたると思わない……55.6%
・どちらともいえない/わからない……36.5%

◆「気にする方が差別している」、“差別問題”自体への疑問も噴出

 では、それぞれの意見を見てみよう。まず半数以上を占め、最多となった「差別にあたると思わない」だ。特に多く見されたのが「映画『ビバリーヒルズ・コップ』の説明があったので」(岩手県/10代/女性)という意見。“黒人”ということではなく、エディ・マーフィに寄せようした結果なので、そこに差別の意図はないとする声が多く挙がっていた。また、「“黒人”ということで笑いにしたわけではなく、浜田さんのみがキャラ付けされていたのが面白かっただけなのでは」(愛媛県/30代/女性)との声も。

 さらには「差別だと言っているから気にかかってしまうだけ」(東京都/女性/10代)や、「気にする方が差別していると思う」(東京都/女性/50代)などの声も。“差別問題”自体に対して問題定義を疑問を呈するする声が多く挙がっていたのも印象的だった。

◆「日本の品位を落とす事態に」、東京五輪を前に心配の声も

 次に今回最小の割合となった「差別にあたる」には、「実際に心を痛めている人がいる時点でダメだと思う」(山口県/女性/40代)や、「昔はこれで良かったのかもしれないが、今の時代には合わないと思うから」(茨城県/男性/30代)。また「演出に悪意は感じないが、黒人の人が嫌な気分になるなら止めるべき」(宮城県/男性/40代)などの声が。

 さらに2020年に開催される東京五輪に絡め、「日本はそうじゃないかもしれない。でも世界は違う。東京五輪開催を前にこういったことを発信していったら、日本の品位を落とす、取り返しのつかない事態になりかねない」(神奈川県/男性/20代)など、未来へ目を向けた冷静な声も挙がった。

 「どちらともいえない/わからない」では、「あまり映画のことを知らなかったから」(愛知県/女性/20代)との声や、「リアルタイムで視聴していた時は差別だなんて全く思いつきもしなかった。しかし、ツイッターなどでの批判意見を目にして、言われてみれば確かに。デリケートな問題だから、しない方が得策だったのかもと感じた」(香川県/女性/20代)などの声も。指摘するから逆に広く知られてしまう、そんな声も見られた。

◆厳しくなったバラエティー番組演出の規制、否定的意見も多数

 近年、バラエティー番組の演出について、さまざまな規制が加えられマイルド化している現状がある。今回の騒動はある意味、差別問題までを慮った“規制”が働かなかった、そこからはみ出したからこそために生まれてしまったともいえる。だが、“規制”することに全面的に賛成かというと、また異なる意見が集まった。

【バラエティー番組演出の規制が厳しくなったことについて】
・妥当だと思う……18.2%
・妥当ではないと思う……43.9%
・どちらともいえない/わからない……37.9%

 規制を「妥当だと思う」とするユーザーの意見は、「バラエティーでやっていることを分別つかず真似する子供がいると思うから」(東京都/女性/20代)、「過去の内容で傷ついた人たちがいたことに、ようやくスポットが当たるようになってきたと認識している」(福岡県/男性/40代)など。

 「妥当ではない」とするユーザーからは「あまり厳しくしてもつまらなくなるだけ。批判が差別に聞こえる時も多々ある」(神奈川県/40代/女性)、「厳しすぎる。このままでは冗談も言えなくなりそうで怖い」(神奈川県/50代/女性)のほか、「規制そのものが差別を増やしている気がする。悪意を出さなければいいような気がする」(秋田県/女性/50代)などの持論が。さらに、「テレビが面白くないと言われるようになった最大の要因だと思う」(滋賀県/男性/30代)と、業界を危惧する声も多く挙がった。

◆親告的かつ相対的な差別問題、松本人志も言及

 2つの調査結果を踏まえると、番組をしっかりと視聴していた人ほど、この件について「バラエティーだから」と冷静に答えることが多く、「観た時から問題だと思った」というユーザーは少数。問題になったことで「傷つく人がいるなら良くない」と考える人も多いが、規制に関しては半数近くが「現状は妥当ではない」との意見を述べている。いろいろな意見が噴出するほどに、、視聴者にとってもこの騒動の捉え方が、流動的で難しいことを提示した。

 ちなみに14日、ダウンタウンの松本人志が出演する『ワイドナショー』(フジテレビ系) では、松本自身もこの問題に言及している。松本は「いろいろ言いたいことはあるんですけど、もう面倒くさいので、“浜田が悪い”でいいです。あいつを干しましょう。断らなかったあいつが悪い(笑)」 と話して笑いを誘っていたほか、「今後、バラエティーは黒塗りなしでいくんですね? 黒塗りしてモノマネする人がこの先出てきたら、同じぐらい叩かれないと今度は“浜田差別”になる」とも指摘。“差別”という問題が、受け取る側の意識によっても変化する、相対的なものであることを匂わせている。

 “差別”とは何か、“笑い”とは何か。そして“すべての人が傷つかない世の中”は本当に到来するのか。この問題は多くの問いかけを今も放ち続けている。
(文:衣輪晋一)

【調査概要】
調査時期:2018年1月5日(金)〜1月10日(水)
調査対象:合計1000名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査 </span>

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