佐藤浩市×江口洋介、本格初共演で“覚悟”を見せる!

11月5日(日)よりWOWOWプライムにて「連続ドラマW 石つぶて 〜外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち〜」が放送される。

【写真を見る】江口洋介「これはでかいヤマになるぞ!」と手応え

本作は、清武英利による書き下ろしノンフィクション著書「石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの」(講談社刊)を原作とした本格社会派ドラマ。2001年に発覚し、政官界を揺るがした「外務省機密費詐取事件」の真相を主人公の刑事・木崎睦人(佐藤浩市)と、上司・斎見晃明(江口洋介)ら警視庁捜査二課の生え抜き刑事が暴いていく。

今回、意外にも本格初共演の佐藤と江口にインタビューを行い、お互いの印象や作品の見どころなどを語ってもらった。

■ これは“でかいヤマ”になる!? 共演に手応え

――お2人は今回本格初共演ということで、まずお互いの印象をお聞きかせください。

佐藤:印象もへったくれもないくらい前から会っていて、知っていますからね(笑)。

江口:そうですね(笑)。

佐藤:でも知っているからといって、現場がなあなあというわけではなく、緊張感を持ってお互いの立ち位置の中で仕事ができて良かったと思います。

一方で、前々からいろいろなところで知っていたので、妙に気遣いをしなくても済むという部分もあるという、背反した思いがあるので、仕事するに当たって非常に良かったです。

江口:擦れ違うような形でやらせてもらったことはあるんですけど、今回のような形での共演はないんですよね。それもWOWOWで! このテーマで! 佐藤さんで! という話がきたときに、これはでかいヤマになるぞ!と(笑)。

佐藤:(笑)。

江口:これは絶対にやりがいのある作品になると思いながら、その分手ごわい現場になるぞ!とも思いましたね。こういう作品は、映画を撮影する時に近いエネルギーを使うんですよね。

佐藤:うん。

江口:ということで、これは腹をくくってかかるかとなりました。あとはプライベートで酒の席をご一緒しているからこそ安心できる部分と、相反して緊張感のある現場になるだろうなと思いました。そういう感覚を持って臨めたのは良かったです。

――原作の清武英利さんの「石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの」は警視庁の組織の複雑さもリアルに描かれていますよね。

佐藤:日本一巨大な組織ですからね。これだけの複雑さを国民は知っているんだろうかと、身内に警察官がいない限りは、ほとんど知らないわけですよ。そういった中で、清武さんの本来持っている“記者魂”というか、そういったものがあえてこれをチョイスして警察機構の中にも入っていったのかなと。

江口:想像を絶する部分がありますよね。僕は「ガイアの夜明け」(テレビ東京系)という番組をやらせてもらっているんですが、元記者だったスタッフがいて、実際に警察関係者の自宅に聞き込みに通っても「目も合わせないで、全部無視されることもよくあります」と聞いて、そういうことは僕たちの日常の中にはなかなかあり得ませんからね。

佐藤:(笑)。

江口:でもその中からも記者は何か吸い出したいし、それこそ執念ですよ。それは巨大な組織への挑戦でもあるし、ヤマがでかいほどドラマとしては面白いですけど、その骨組みを書かれたということは、非常に興味がありますね。

■ 実在の事件・人物に挑む難しさ

――これまで、さまざまな刑事の役をされてきていますが、実在の人物がモデルということで、難しかったことや、チャレンジなどはありましたか?

佐藤:僕は最初監督の若松(節朗)さんにお会いした時に、「最も魅力的でない主人公をやらせてもらいます」と言わせてもらいました。現実的に言うと、真瀬(北村一輝)というノンキャリアが3000万のキャッシングをしたら、どういう金の使い方をしたのかということに役者は最初に引かれるんですよ。

でも、実際二課の刑事さんはそこに一切興味がない。テレビや映画の刑事は犯人の故郷にどんな幼少期だったのか探りに行くけど、実際の刑事は関係なければ行きませんよ。つまりドラマや映画に出てくる刑事と、現実に仕事をされている刑事は全く違うということですよね。

江口:そうですね。

佐藤:その部分をどういうふうに僕の中でうまく合わせていくか、たぶんリアルな刑事像でやるとドラマ的に見た場合、見る側からしたら非常に感情移入しにくい刑事になるかもしれない。その辺りの感情移入をさせたりさせなかったりという部分を、自分の中でトライしたいという思いはありましたね。

江口:僕は、木崎と全然違う価値観を持っているという部分をどういうふうに出していくのかというところですかね。木崎という執念の男に対して、齋見はあわよくば出世したい、上に昇れば違う景色が見られて組織のためにもっと立ち回れるはずだと常に思っている人物です。もしかしたら事件を追っている最中はそんなことどうでもよくなる瞬間もあるだろうなとも思いますが、木崎との関わり合いの中で2人のやり方の違いや考え方の違いはあえて丁寧に作っていきたいと思います。

――今回のドラマのように実際に起きた事件がベースになっている作品を演じる上で、特に心掛けていることはございますか?

佐藤:これはほんの十数年前の話で、皆さんまだ存命なんですよね。それでやる場合には、やっぱりノンフィクションがベースであっても、(ドラマ用の)フィクションであるということに関して、自分たちがそれにキャラクターとして多少特化した部分や、カリカチュアした部分、そういったものを肉付けしなきゃならないということを、まずモデルになった方におわびしたということがあります。

また、連続ドラマで刑事もので、背骨を持った話でも、やはり1話の中には枝葉があって、1話完結の中で背骨を追っていくというのがドラマツルギなわけですよ。それが今回、1時間の尺のドラマを8本まるまるこの話だけでやる(笑)! 途中で何かの強盗事件が起こっているわけでもないしね。

江口:ないですね。

佐藤:これで見せるという“覚悟”ですよね。僕は一番モノを作るときに演じる側も作る側もお互いに求められるのは、覚悟だと思うんです。今作はその覚悟というものが制作サイドにも、それを受ける現場のスタッフ・キャストも含め全員持ってそこに臨むというドラマではないかなと。

その覚悟を原作者も含めて実在の人物の方々に、われわれが多少特化した人物として演じたとしても、感じてもらえると信じてやっています。

江口:そうですね。映像化するに当たって、デフォルメしている部分もあるし、ドラマにしていかなければいけないという部分もあり、ある種違う要素を入れていく作業でもありますけど、基にあるものは絶対ブレさせないということは意識しています。

佐藤:ふふふふ。

江口:自分が感じたままに、走るしかないっていうやりがいがありますよね。

■ いま、このテーマに挑戦する意義、面白さとは

――2001年に発覚した「外務省機密費詐欺事件」を今テーマにすることについてはどのようにお考えですか?

佐藤:これだけの事件なのに、当時の報道のされ方があったかないか定かではない事件なんですよ。それがなぜなんでしょうねということを描いているわけではないんですが、日本という社会の中での象徴、置かれ方とか、そういう部分のちょうど過渡期で、今の若い人が見れば「これだけのことなのになんでそれほど騒がれていなかったの?」と思うわけです。

そこら辺も含めて背景とかいろいろものが透けて見えてくると思います。あと一つ言えるのはこういうドラマをやれるんだなということ。

江口:そうですね。

佐藤:日本は、社会的に起きた事件というのに免疫がなく、親殺しとか子殺しとかあると映画化されていたんですよ。だけどそういうこともやらなくなったときに今こういう、近代史の中でもすごく近いほとんどの方が存命であるものをやるっていうことの意義、面白さということは強く感じますね。今やると、みんなこれをどういうふうに受け止めるんだろうというリアクションがすごく気になります。

江口:こういう作品はやっていくべきだと思いますよね。本当のことが見たいという視聴者の欲も絶対強くなってきていると思うんです。

特にこういう事件があったということは何なのかというところまで、深く視聴者を引っ張っていきながら、よりドラマチックに見せていくところを模索しながらやっています。

たぶん知っているようで知らないことが多いと思うんですよ、このドラマを通して、自分がどういう国に生きているのかということが分かりやすく理解できると思います。こういうものに挑戦するWOWOWさんを含めスタッフの方からの“熱”というのを感じましたね

――これからのシーンでお互いに期待していることは?

佐藤:一緒にライブをやるとか、全然芝居じゃないところの関係性でお互いを知っているというので、これからどんなふうに面白く出るかなという期待感はありますね。

江口:そう言っていただけるとうれしいです。これだけパンチの効いた題材はほかではありません。莫大な量のせりふと格闘する日々です。佐藤さんのせりふの間のコンマ何秒の世界を突き詰めていく、そのせめぎ合い、譲るのか、譲らないのか、ここは張るのか引くのか、といったことができる非常に楽しさでもあり大きな刺激にもなると思います。

これだけがっつり共演というチャンスはもうないと思うので、胸を借りて思い切りやらせてもらいたいなと思います。

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