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脚本家・一雫ライオンの小説が泣ける!映像化期待の珠玉ファンタジー完成<モデルプレスインタビュー>

【一雫ライオン/モデルプレス=9月19日】脚本家・一雫ライオン氏(44)がモデルプレスのインタビューに応じた。これまで「ホテルコパン」(主演:市原隼人、2016年)、「サブイボマスク」(主演:ファンキー加藤、2016年)、「イイネ!イイネ!イイネ!」(主演:クレイジーケンバンド、2017年)といった映画や、ドラマ「AKBホラーナイト アドレナリンの夜」(テレビ朝日系、2015年)などの脚本を手がけてきたライオン氏は、20日発売の著書「ダー・天使」(集英社文庫)で小説家デビューを果たす。インタビューでは、今作に込めた思いや映像化への期待に迫った。

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◆心温まる珠玉のファンタジー「ダー・天使」


ライオン氏の初の書き下ろし小説となる「ダー・天使」は、愛する娘を見守るため、死んでしまった主人公・二郎が現世へと舞い戻るといったストーリー。

妻と幼い娘とともに、慎ましくも幸せに暮らしていた二郎はある日、通り魔から家族を守ろうとして、命を落としてしまう。天国で神と交渉した二郎は、「天使」として地上へと戻るが、誰からも姿は見えず、手助けも出来ないまま、ただひたすらに妻子を見守り続ける。そしてラストには思わず涙してしまう展開も。心温まる現代のファンタジーとなっている。

◆執筆背景に父親の死


今作の執筆背景には、実父の死去があったという。もともと小説を書いてみたいという思いもあったそうだが、父の他界が大きく影響した。ライオン氏は39歳で結婚、40歳にして第1子となる長女が誕生。娘が誕生してまもなく、父親の食道がんが発覚した。

「娘が生まれてから半年後、父親が食道がんを患っていたことがわかったんです。3年間、闘病して去年亡くなったのですが、娘の新しい命が生まれたタイミングと、父の命が終わっていくタイミングが近くて、不謹慎な言い方になりますが“よくできているな”と思ったんです。理に適っているというか」

こうした経験から、実体験を交えた家族のストーリーを書きたいという思いが芽生えた。父の死に直面し、天国や神様と向き合い、想像を働かせ、ペンを進めていったのだ。

◆脚本と小説の違い


物書きと括りは一緒だが、脚本家と小説家ではまるで畑が違う。彼自身、それを感じたそうで「小説と脚本は全く別物」だとし「オリジナルの脚本を書かせてもらうことが多いですが、1人ではすべてを形にできません。監督さんやプロデューサーさんがいて、予算もある。大勢の人の思いがないと成立しないのが映像作品です。対して小説は、編集担当の方とのやりとりはあっても、1人で完結しなければなりません。鬱々とした日々もあり、大変さがありましたが、1人で完結できるという快楽も(笑)。人と会わず、自分との戦いでしたね」と説明する。

そう語り、執筆は「大変だったけど楽しかった」と振り返るライオン氏。「小説、向いているかも」という手応えもあったようだ。構想が浮かび上がり、本格的にペンを取って2ヶ月ほどで初稿が上がったというエピソードは、さすが脚本家。本業の脚本の仕事と平行しての小説の執筆。驚異的なスピードでペンが進んだ理由は、自身と重ねたストーリーだったということも大きいのかもしれない。

◆娘の名前からとった登場人物と実体験から得たアイディア


実は、物語に登場する二郎の娘・凛は、ライオン氏の娘の名前からとったもの。ほか、主人公が結婚した年齢や子どもが誕生した年齢などの設定は、ライオン氏が歩んできた人生と近いものがある。娘の名前にしたことについては「自分の実体験を物語にのせる私小説っぽいことが好きなんだと思います。おこがましいとも思うけれど、小説に登場する娘を凛として書いたほうが、筆がのるかなとも思ったんです。一度書き終えたタイミングで、もう一度考え直すこともできたので、いったん凛として書いたんですね。ですが、一通りできたものを読み返してみると『これは凛だな』って(笑)」と目を細める。そして、大きくなった娘に読んでもらいたいと願いを込めた。

「ダー・天使」は、天国や神様といった設定もおもしろく、魅力的だ。ライオン氏が思い描いた天国や神様は、この小説が読者を惹きつけるポイントの一つになるだろう。小説に登場するのは、17歳の神様。この17歳の神様が人に運命を決めるのだ。このアイディアも、自身の経験から生まれたそうだ。

ライオン氏には、自閉症の弟がいる。幼いころより、弟、そして母親に偏見の目が向けられていたそうでやつ当たる対象が神様だったという。そうした経験より描かれたのが、きちんとした大人でない17歳の神様だ。自身が経験した理不尽や、社会の不情から生まれた17歳の神様は、どこか憎めないキャラクターで物語にスパイスを与える。

◆映像化への期待は?キャスティングのイメージも


心温まるストーリーを紡ぎ出したライオン氏だが、このアイディアを脚本として落とし込まなかった理由を聞いてみると「小説家として小説を書きたかった」という強い意思を感じさせる答えが返ってきた。もちろん、映像化となれば嬉しいと話すが「『ここは映像になりにくいだろうな』とか、一切考えずに書きました。自分が思うがままに筆を進めていきました」と、決意を持っての執筆。原稿に向かっている間、“映像化”という言葉が頭をよぎることはなかった。

そのように語ったライオン氏だが、記者個人としては、早くも映像化を期待したいと思えた作品だった。そこで、これまで数々の作品を世に送り出してきたライオン氏に「もしも映像化するなら、キャスティングは?」といった質問を投げかけてみた。

「サンドウィッチマンの富澤たけしさんやTKOの木下隆行さんはイメージに合いそうですね。堤真一さんや内野聖陽さんのような中年の味が出ている、雰囲気のある俳優さんもいいかもしれません」

これらのイメージとともに、小説「ダー・天使」を読んでみるのも楽しいかもしれない。

◆作品のい込めたメッセージと夢を叶える秘訣


この作品には「死ぬことは怖くないのではない」というメッセージも込められており、大切な人がいる人も、大切な人を亡くした人にも読んでほしいと願う。そんな「ダー・天使」は、担当編集者が「読み終わったあと、『ちょっとだけ、お父さんに優しくしよう』と思いました」とコメントを寄せているように、家族について今一度考えるきっかけを与えてくれずはずだ。

最後に、小説を書いてみたかったという夢を叶えたライオン氏に“夢を叶える秘訣”を聞いてみると「ある程度決められている運命があると思うのですが、だからこそ叶えたい夢ならば普通にやっていてはいけないと思うんです」という答えが返ってきた。そして、ときには「自分を許してあげることも必要」だという。

こうした思いを胸に、初の書き下ろし小説「ダー・天使」が完成した。そして、この言葉にはどこか物語に通ずる部分があると思う。そんな今作は、読んだ人の胸を打ち、感動をもたらすことだろう。(modelpress編集部)

■一雫ライオン(ひとしずく・らいおん)プロフィール


1973年7月12日生まれ。東京都出身。俳優としての活動を経て、演劇ユニット「東京深夜舞台」を結成後、脚本家として活動。映画「前橋ヴィジュアル系」「TAP 完全なる飼育」「ホテルコパン」「サブイボマスク」「イイネ!イイネ!イイネ!」などの脚本を担当。著書に「小説版 サブイボマスク」がある。

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