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「ドラマ好きが高じて女優を目指した」広末涼子のこれまでとこれから

週刊ザテレビジョン創刊35周年企画として、本誌を彩ってきたテレビスターたちがテレビとの思い出を語るスペシャル連載がスタート。第1弾は、'95年にCMで鮮烈なデビューを果たし、以来、22年で60本以上のドラマ作品に出演した広末涼子。'97年4月には「MajiでKoiする5秒前」でCDデビューし、同年7月には、反町隆史&竹野内豊がW主演し、大ブームを起こした人気ドラマ「ビーチボーイズ」(フジ系)にも出演。“ヒロスエ”の名は全国に知れ渡った。今でも、女優として活躍し続けている彼女の原点は、デビュー前に見ていた'80〜'90年代のドラマだという。

【写真を見る】“ヒロスエ”の人気ぶりは社会現象にも!/撮影=西村康

■ ドラマ好きが高じて女優を目指した幼少期

「故郷の高知で過ごした小学生のころはすごいテレビっ子で、毎週月曜に何が放送されて、火曜には何がというのを全て把握していました。でも、まだ高知の民放局は2つしかなく、TBSとフジテレビの番組を一つの局がやっていたりして、編成がバラバラだったんですよね。『笑っていいとも!』(フジ系)を夕方に放送していたくらいですから(笑)。だから、放送されないドラマもあり、それをわざわざ首都圏にいる親戚にビデオに録画して送ってもらっていました。それほどドラマが好きだったんです。中山美穂さん主演の『ママはアイドル!』とか、田村正和さんの『パパはニュースキャスター』(共に'87年TBS系)などを夢中で見ているうちに、『自分もブラウン管の中に入りたい、女優さんになりたい!』という意志が固まりました」

中学生のとき、第1回クレアラシル「ぴかぴかフェイスコンテスト」でグランプリを受賞。東京の高校に進学すると、夢がかない、“ブラウン管の中の人”として活躍し始める。

「ただ、高校時代は学業優先で、放課後しかお仕事ができなかったんです。すると自然に役柄も限られてしまう。そんな中、夏休みに撮影した『ビーチボーイズ』は、初めてレギュラーで出演させてもらったドラマで、演技の基本を学んだという意味でも、自分にとってすごく大きい作品です。初めて『お芝居って言うけれど、芝居じゃないんだな』と感じることができたというか…」

演じたのは、広海(反町)と海都(竹野内)が一夏を過ごすことになった民宿の看板娘・真琴。離婚した母親と離れ、祖父に預けられていた彼女だが、頼りにしていた祖父が倒れてしまう。その繊細な演技は、鮮烈な印象を残し、絶賛された。

「撮影が3カ月みっちりあって、自分と真琴がすごくリンクしたんです。泣く場面では、『泣かなきゃいけない』と思ってやるわけではなく、自然に涙が止まらなくなった。ただ、それがリハーサルだったんです。いざ本番ではすっきりしちゃって、さっきの感情が帰ってこない(笑)。それで初めて感情をコントロールしなきゃいけないということを学びました。ザテレビジョンドラマアカデミー賞の助演女優賞もいただいて、うれしかったのですが、『月9に出てすごい!』と言われるのは、あまり実感がなかったです。何しろ、高知では放送枠というのがなかったので」

続く'98年には、野島伸司が脚本を手掛けた「聖者の行進」(TBS系)、「世紀末の詩」(日本テレビ系)に出演し、'99年には野島の書いた「リップスティック」(フジ系)でヒロイン役に。少年鑑別所に入っている孤独な少女・藍を演じた。

「野島さんの台本は難解でした。独特の世界観で、でもやっぱり野島さんにしか書けないものがあると思います。当時の私がそれを本当に理解できていたかというと、自信がなくて、とにかく、私にとっては大きな挑戦でした。また、藍が私とは全然違うキャラクターだったんです。藍は独特の価値観を持っていて、三上博史さんが演じた教官の有明に対する執着心もすごく強い。なりきれているか不安で、野島さんが撮影現場にいらしたときに、『私の藍は大丈夫ですか?』と聞いたら、『え、何が?あなたは藍じゃないの?』という反応だったので、そう言われるということは成立しているのかなと、少しホッとしました」

■ 役とのギャップが出ないよう自分を隠していた現場

多忙過ぎる10代を経て20代に入ると、恋愛ドラマにも次々と出演。「Summer Snow」('00年)、「元カレ」('03年共にTBS系)では、堂本剛と共演した。

「『Summer Snow』で演じたユキは心臓病を抱えた体の弱い女性。私自身は丈夫というか、体が強いのに、剛さんは本当に私の体が弱いと思ってくれていて、そう見えているんだなと、そのときも内心ホッとしましたね。若いときは、演じる役とのギャップが生まれないように、現場でも自分を出さないようにしていたんです。『本当はこの人、丈夫なのに…』と思われながら演技をするのも嫌じゃないですか(笑)。だから、お互いの情報交換は必要ないと思っていました。今はそのころに比べると、共演の方々と楽しく過ごすようになったけれど、根っこの部分、役にストーンと入れるようにという気持ちは変わらないですね」

■ 休んでいたことで見えてきたドラマ&テレビの楽しみ方

「元カレ」の後は、2年ほど休み、「スローダンス」('05年フジ系)で連続ドラマに復帰した。

「お仕事を休んで、あらためて気が付いたんです。『そもそも私は、ドラマが好きだからやっていたんだ』って。それまでは一生懸命になり過ぎていて、テーマやメッセージ性がなければドラマをやっている意味がないとまで思っていました。でも、自分が視聴者として過ごす日々では、『日常で疲れているのにドラマを見てさらに疲れたくない』と思っちゃう(笑)。ホームドラマなどは『重くならないドラマって最高!』と楽しめる。そうして純粋な視聴者になって客観視したことで、どこか自己満足的になっていた意識を乗り越えられた気がします。そこで一度リセットされた感じでしたね」

■ どんな挑戦的な役でも“女性が共感できる役柄”に

そして、現在30代。最近はよりチャレンジングな役柄を演じることも増えた。「聖女」('14年NHK総合)では連続殺人の容疑者となる基子役、「ナオミとカナコ」('16年フジ系)では親友を守るためその夫の殺害を計画するナオミを熱演した。

「『元カレ』で意地悪な元カノを演じたころから意識してきましたが、やはり女性として共感できる役柄を演じたい。その思いは自分の中に強くありますね。だから『聖女』のときも、脚本の大森美香さんとお会いして、悪女なのか聖女なのか分からない女性の方が魅力的ではという話をしました。基子は完全な悪女ではなく、視聴者に『もしかしたら自分もそうなるかもしれない』と思わせるようなヒロインにしたかったんです。『ナオミとカナコ』も、夫殺しという衝撃的な題材で、罪を犯しているからサクセスストーリーにはできないのですが、絶対女性に共感してもらいたかったので、ナオミとカナコを応援してもらえる見せ方にしてほしいという希望は伝えました」

そして、新しいクリエーターとの出会いも。「かもしれない女優たち2016」('16年フジ系)では、バカリズムの脚本でセルフパロディーを演じ、視聴者を驚かせた。10月クールの新ドラマ「奥様は、取り扱い注意」(日本テレビ系)では金城一紀と組む。

「『奥様は、取り扱い注意』は笑いと涙あり、アクションありのホームドラマを金城さんが書くということで、絶対面白い作品になるに違いないと思いました。バカリズムさんの台本も特殊な設定が面白くてワクワクしましたね。最近、あらためて思うのですが、ドラマはコメディーでもシリアスでも、脚本、キャスティング、演出などが合わさった、みんなの才能と努力の結晶。そして、全ての面で面白いというものがそろえば、きっとリアルタイムで見たいと思える作品になるはず。これからも、私が子供のときに、テレビの前でドキドキしながら放送を待っていたような魅力のあるドラマに参加していきたいなぁと思います」

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