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【試写室】「刑事7人」硬派な刑事たちがたどり着いた真相…そうきたか

これは驚いた。純粋に驚いた。ただただ、驚いた。隠す必要もないくらい驚いた。人は本当に驚いたとき、陳腐な表現しか出てこないんだなということを自ら体感してしまったが、たまげた…。

【写真を見る】頬に傷が! 倉科カナ演じる水田が銃口を向ける先には誰が?/(C)テレビ朝日

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。今回は9月13日(水)夜9時から放送の「刑事7人」(テレビ朝日系)最終話を取り上げる。

最終話なんだから多少の驚きをもって終わるもの、というのは当然映像を見る前に想定に入れていたのだが、それを覆す驚きがここにはあった。

一体このドラマの何に驚いたのかは、一旦置いといて。最終話のあらすじは、臨海エリアを裏で牛耳る大地主・馬久根恒義(山本學)の狙撃を次々と試み、天樹悠(東山紀之)ら「第11方面本部準備室」の面々に阻止された男2人が自殺した。

その後、事件現場となったビルには、第三波として複数の爆弾も仕掛けられていたことが判明。天樹らは、臨海エリアの利権を狙う謎の人物「御厨(みくりや)」によるテロの可能性を疑う。

その直後、馬久根が天樹らを呼び出し、ある交渉を切り出す。天樹らが証拠をつかんでいる脱税の罪を認める代わりに、自分を殺そうとした首謀者を捕まえてほしいというのだ。

だが、彼らにとって馬久根は憎むべき“最大の敵”。彼のために捜査するのは当たり前だが、不本意なのだ。天樹らは逡巡しながらも、あくまで自分たちの意志で首謀者を洗い出そうと決意する。

間もなく、自殺した狙撃未遂犯たちの身辺から、御厨との接点を暗示する証拠を見つかる。だが、ここにきて天樹が首をかしげる。

臨海エリアの利権を狙う勢力が馬久根を殺害しようとするというのは合理的だが、ビルの爆破に関してはどう考えても合理性が見受けられないからだ。この一連の犯罪計画には一体、どんな意味があるのか。御厨の正体も含め、捜査は混迷を極める。

そして容疑者として“ある人物”に目を付けた天樹らは、捜査を続行。やがて、天樹はそれまで想像すらしなかった“驚きの真相”に直面する…というもの。

本作以外にも、「遺留捜査」(テレビ朝日系)や「警視庁いきもの係」(フジ系)、「警視庁ゼロ係〜生活安全課なんでも相談室〜SECOND SEASON」(テレビ東京系ほか)と、個性豊かな刑事ドラマが7月期は放送されてきたが、最も硬派な刑事ドラマなのは本作だろう。

というより、近年まれに見るハードボイルドな作風の刑事ドラマと言うべきか。

前週第9話では、青山(塚本高史)の“裏の情報源”で昔のワル仲間・久喜鉄平(米村亮太朗)と、彼の子どもを身ごもり幸せいっぱいの妻が惨殺されたり、かつて天樹らの仲間だった刑事・永沢圭太(鈴木浩介)を殺した死刑囚・丸藤遼平(音尾琢真)が脱獄。

沙村(高嶋政宏)がほのかに好意を寄せるジムのスタッフ・宮本あかり(ハマカワフミエ)を人質にとってタイマン勝負を仕掛けたり、って結局そんなあかりもグルだったり…。

かと思えば車いすに乗って花束を抱えた男がいきなり銃撃(馬久根を)してきたり…、汚い言葉を使うならエゲつねえ。

特に久喜の妻は、今どき時代劇でも露骨には描かないことが多い、首を取って相手に送るという残虐極まりない手段が用いられた。久喜の表情だけで、こちらにもその衝撃波が押し寄せてくるほど。演出の妙か、見た目的には感情移入できない系男子(※主観です)の久喜だが、同情を禁じ得なかった。

9話の内容はもちろん、9話から最終話冒頭の銃撃戦も含め、この作品自体シリーズを重ねるごとにハードボイルドさが増している気がする。特に今回に関しては、舞台となった臨海エリアという場所の無機質な雰囲気と、最大の敵であり、シリーズの縦軸としてずっと異質な存在感を放っていた馬久根という男の影響か。

言葉を選ばずに言うと、パッと見、馬久根は気のいいおじいちゃんでしょ。孫が夏休みに遊びに来たら、義娘に内緒でお小遣いあげちゃうタイプでしょ? 夜はジャイアンツの試合を見て、ふがいなさに文句を言っちゃうタイプでしょうよ。

それが、もちろん目に見える形で彼が何かをしているわけではないのに、ダンディー過ぎる声で「また馬久根か!」「馬久根め…」と、沙村や片桐(吉田鋼太郎)が吐き捨てれば、もうそっち系の怖い人にしか見えなくなる。むしろ山本學の目尻の下がった柔和な笑顔が、余計に恐ろしく感じてしまう。心憎い手法だ。

実際、筆者も最近身の回りで何か理不尽な出来事が起きると「また馬久根だよ」「だって馬久根が〜!」と、何でも馬久根のせいにしちゃっている。あ、バカにしているわけではありません。何かおもむろに言いやすい名前なんだもの。

それに馬久根にしろ、御厨にしろ、天樹にしろ「刑事7人」のキャラクターのネーミングセンスも好きだったりする。

そして前から思っていたけど、天樹の捜査スキルというか、推理能力はずば抜けておるなあ。

さておき、ここまで最終話のストーリーについては具体的に何も触れてないってことがそろそろバレそうだが、なぜか。だって、核心に触れることをここで書いてしまったら、馬久根に消されちゃうから…。私が言えるのはこれだけだ。

真相は薮の中、ではなく夜9時から。

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